第108話 噛み合わない男女の思考 ~信じる大切さ~ Bパート
文字数 7,993文字
気づけばそこそこの時間が経っていたから私は大慌てで、少しでもと机に向かう。
どのくらいそうしていたか分からないけれど、気付けば月も見えている時間、私の部屋の扉がノックされる。
「お母さんだけど、今日も愛美と一緒にご飯食べようと思って」
「うん。鍵は掛けてないけれどちょっと待って」
一昨日に続いてお母さんが私の事を考えてくれているのが分かる。
「……その様子だと無事仲直りが出来たみたいね」
私が扉を開けると、金曜日と同じようにお盆を手に私の顔を覗き込んで来る。
「仲直りは出来たけれど、お母さん。変な事言ってないよね?」
心配してくれるのは嬉しいし、私の家の事情を鑑みても文句なんてある訳も無いけれど、やっぱりそれとは別で、親に自分の恋愛の事を知られるのは恥ずかしい。
「あの船倉さんとの電話の事よね。今日着て帰って来た服も借りたの?」
金曜から出しっぱなしになっていた折り畳みのテーブルに、食器を並べて
「うん。なんかこれ着て優希君にもきっちり後悔してもらうんだって言って」
「そう……。ちゃんと愛美の事を分かって、お母さん以外にも愛美の事を理解して応援してくれる人がいるのね」
嬉しそうに、安心したように。そして時折寂しそうな表情を織り交ぜて。
「でも、金曜日の日にお母さんが男の人の考え方とか、私たち女の人の気構えとか教えてくれたのは嬉しかったし、すごく力になったよ。だからお母さんにもありがとう」
でも私はこの家族が好きだから。週末しか家に帰って来てくれなくても、私たち姉弟の事をとても大切にしてくれているのは痛い程に伝わるから、お母さんにそんな寂しい表情をして欲しくなかった私は、お母さんに感謝の気持ちを伝える。
「それにそのお化粧。愛美の事をよっぽどよく分かってるのか、本当に愛美に合わせた綺麗なお化粧ね」
けれど、私の顔を見たお母さんが寂しさの表情を濃くする。
確かに自分でも思わず口を滑らせてしまうほどだったけれど、今のお母さんの表情が気になる。
「やっぱりマズかった?」
お化粧が高い事くらいは知っていたから、その事かとも思ったのだけれど、
「違うわよ。ただ愛美ももう時期に私たちの手を離れるのかと思うとどうしてもね」
――まあ女子の一人暮らしは、本人が嫌がったり、
両親が駄目だっていう場合も多いからな―― (94話)
お母さんの気持ちを聞いて、先生との面談の時の会話を思い出す。
「手を離れるって、私がどっか行く訳でも無いし、私の帰って来る家はここだって」
お父さんが娘を送り出す心境にでもなってしまっているのか、何となく親心を垣間見たような気がする。
優希君のお嫁さん……は、さすがに飛躍し過ぎだけれど、何がどうなったって親子の縁・絆は変わらないのに。
「そうよね。お母さん変な事言ったわよね。それよりも“優希君”は反省してくれた?」
「反省って言うか、私にも優希君の話を聞けていなかった落ち度はあったし、優希君だけが悪い訳じゃ無かったよ。金曜日にお母さんが言ってくれた通り、私も優希君の事を考えて動かないと駄目だったって事だと思う」
咲夜さんとの電話の時にも思ったけれど、雪野さんとの事で確かに私が間に入るって言う約束を忘れて、優希君のSOSに気付けなかったのだから、女心としてはどうしようもない部分はあるけれど、やっぱり優希君だけの責任には出来ない。
「本当に愛美は容姿も頭も器量もよしね。愛美ならもっとモテてるんじゃないの?」
いやお母さん。それはちょっと色眼鏡入り過ぎだと思うけれど。私そこまで完璧じゃないよ。
「でも女側も幸せになれる努力をしないといけない、男の人に幸せにしてもらうだけじゃ駄目だって教えてくれたのはお母さんだって」
お母さん自分で言ったこと忘れてるんじゃないのかな。
でも言い換えてしまえば、お母さんが自分で良い女だって言っている事と変わりがないような気もして。
「でもお母さんが愛美くらいの時にはそんなこと考えた事も無かったわよ。愛美みたいな性格でこれだけ可愛かったら彼氏なんて選び放題じゃない?」
いや選び放題って……この前の百以上の秘密の事とか、お母さんの中で私ってどうなっているのか。
「ちょっとお母さん! 私は『私が好きになった人ひとりだけで良いから、好きになって貰えたら、それ以上は要らない』んだって」
倉本君の気持ちと行動で優希君がハラハラして、自信が持てなくて、なんかメガネのせいで優希君と喧嘩みたいになって、あの大学生みたいな人のせいで怖い思いもして……モテたってロクな事になる気がしない。
「本当に愛美は……今の愛美の言葉をお父さんにも聞いて欲しいわね」
「ちょっとお母さん! お父さんには言わないでよ。浮気しようとしたお父さんが優希君の文句を言ったら、絶対ケンカになるからね」
ただですら私に“男が出来たのか!”って大騒ぎしているのに。
「それよりも慶の事は良いの?」
金曜日に私がお母さんを独り占めにしてしまって、今日も私の所に来てくれているのだからと思ったのだけれど、
「慶久と言えば、慶久からお小遣いの事とか、お弁当の話とかした?」
お母さんが呆れ気味に私に聞いてくる。
「聞いてる。でも慶のお小遣いの為にお弁当までは作るつもりはないよ」
投げられたお弁当箱の事を口にするつもりは無いけれど、文句を言われてまで作るつもりは無かったりする。
「慶久の学校にもちゃんと食堂があるからそうは言わないけど、慶久のお小遣いの事、愛美から話があるって言ってたわよ」
何を言ってんのか。お父さんに頼むとか、自分でお願いするって言ってたんじゃなかったのか。都合が悪くなった時だけこっちに話を持って来るのは辞めて欲しい。
だから私は自分でお母さんにお願いすると聞いた旨を伝えると、
「慶久には十分渡してるから、愛美は気にしなくて良いわよ」
私の時とは違って、明らかに呆れと疲れを伴った溜息を漏らすお母さん。
今の一言とため息で結果が分かったから、それ以上聞くのは辞める。
「じゃあお母さんは慶久の方を見て来るから、愛美はお風呂入るなら入っちゃいなさい。もう慶久も済ませてるから何も気にする必要は無いわよ」
そう言い残してお母さんが慶の様子見を見に下へ降りて行く。
お母さんが言ってくれていた事もあって、お風呂をそのまま頂いた私はもう一つの電話。彩風さんに顛末の電話をする。
『愛先輩。大丈夫ですか?』
文字通り開口一番に私の心配をしてくれる可愛い後輩。
『金曜日は途中で統括会抜け出してごめんね』
考えてみれば私のせいで金曜日の統括会は中途半端になってしまったに等しい。
『そんな事はどっちでも良いんです。副会長とはどうなったんですか?』
雪野さんの説明をしようと思ったけれど、可愛い後輩らしく何を置いてもまずは私の事を気にかけてくれる。
『今日半日ゆっくり話をして、一通りの事は片が付いたよ。だから――』
『――片が付いたって事は副会長に見切りをつけたんですか? 愛先輩がいるのに浮気するような男の人なんてこっちから願い下げです!』
私の言い方も悪かったかもしれないけれど、可愛い後輩の中では優希君の株が暴落したみたいだ。
『彩風さんの気持ちは嬉しいけれど、私が好きな彼氏をそこまで悪く言うのは辞めて欲しいかな』
『私が好きな彼氏って……まさか愛先輩。冬ちゃんとキスした副会長の事、許したんですか?!』
私の返答が余程驚きだったのか、可愛い後輩の声が裏返る。
『許してはいないよ。ただ優希君の話を聞いて私にも落ち度はあったし、優希君の本――』 (60話・反例)
『――愛先輩に落ち度って、何で浮気された方に落ち度があるんですか! 愛先輩は良い人過ぎます!』
私の判断に納得がいかない可愛い後輩が、電話口にもかかわらずまくし立てて来る。
『良い人でも無いけれど、私が男の人に慣れていない様に、優希君も女の人に慣れていなかった。そんな時に雪野さんからの強い押しがあって、それ以上の事は優希君の意思とは無関係だったって所かな? でも、優希君からも雪野さんの押しが強さには困ってたって言うのは確かに優希君からも聞いていたから、そこに気付けなかったのは私の落ち度だよ』
咲夜さんに続いてお母さん。そして最後に彩風さんにも今日だけで三度目となる説明。
朱先輩も、妹の優珠希ちゃんも省いた、私と優希君だけの顛末を話す。
『それって副会長が言い訳にしてるだけじゃないですか?』
可愛い後輩の言わんとしている事も分かるけれど、って言うか図らずとも優珠希ちゃんと同じような事を言う可愛い後輩。
だけれど、男女の《視点の違い》を考えた場合それだと中々うまくいかないと思う。
だから男の人の考え方を女の子に通じるように“変換”して可愛い後輩に聞いてみる。
『倉本君に不意打ちで私の方から口付けをしたら、彩風さんはすんなりと倉本君の事、諦められる?』
倉本君から私への強い好意を目の当たりにしても、目から涙をこぼしながらでも私みたいに決して逃げ出さなかった可愛い後輩。
『分かりませんけど。多分無理です。ただそんな事になったら愛先輩とは口を聞けないと思います』
“惚れた弱み”こう考えると嫌な言葉だなって思う。
『でもそれだったら、尚の事冬ちゃんには降りてもらった方が良いんじゃないんですか?』
可愛い後輩を見ていると本当に女の子らしいなって思う。
『それは駄目だよ』
感情的にはそうしたい気持ちもあるし、そうなったら安心すると思う自分もいる。
『何でですか! 今日はちゃんと説明して下さい!』
だけれどこれは私と優希君二人の共通の意見だし、間違いなく学校側の意見でもあると思うのだ。
だから、ここで今日この電話での本題に入る。
そして私は先週の木曜日くらいから懸念していた、雪野さんの孤立の事、知り得なかった事は法律ですら罪には問えない『善意の第三者』の話、経緯や形はどうあれ、ちゃんと雪野さん自身も本人から話を聞こうと言う意思があった事、それを実際に行動に移していた事、そして雪野さん自身は暴力を振るうどころか、徹底した暴力否定派だった事を順に話した時、
――岡本さんとその友達との喧嘩が無事に終わって
仲直り出来た時、ちゃんと地面は固まりますか?―― (82話)
ふと教頭先生と鼎談の時に話した“雨降って地固まる”の話を思い出す。
『……愛先輩?』
そしてもう一度頭の中を整理する事にする。
雪野さんは理由・経緯・情報の出処は別として、バイトしている事を生徒から耳にしている。その上で校則と言う主張を持って、頭ごなしに決めつけるのではなくてバイトしている人の所まで出向いて本人の話を聞こうとした。
この時中条さんと言い合いになっているのだから、相手の主張を聞こうとした事にもなるのか。
『ごめん。ちょっとだけ頭の中を整理させて』
そしてあの時私はなんて先生に答えたのか。いや、一番初めの時に巻本先生経由で教頭先生になんて答えたのか。
――お互いに譲れない主張がある時に使う言葉だと思います―― (35話)
そう“お互いに”って言ったはずだ。そして、鼎談の時に教頭先生に私は、なんて言ったのか。
確か“お互いに”主義主張がある場合のケンカなら、
――地面は元よりもしっかりと踏み固められると信じられます―― (82話)
と答えたんじゃなかったか。自分が答えた事だからこれで大体間違っていないはずだ。
『……』
つまり学校側は雪野さんのそう言った細かい行動を見て
――要望を出してからの一週間、雪野の生活態度や言動を見てはいたけれど―― (62話)
倉本君から聞いた言葉を思い出すと同時に、
『そうかっ!』
『――っ!』
学校側は雪野さんの事を把握してたんだ。だから私の“雨降って地固まる”の話から、雪野さん交代には反対って言う考え方が分かったのか。それってつまり、
――今回は俺と霧華
のみ
でと言う指定だから―― (83話)理解した瞬間、教頭先生の考えの深さに身震いする。
『そうか! その交渉自体に意味がないんだ!』
『えっと……愛先輩?』
だからあれだけを言った上で、私を交渉の場には同席させないって、倉本君と彩風さんだけって言ったのか。
でもそこまで考える教頭先生の諮問に対して、回答とするには、“地面はもとより踏み固められます”と言い切ったのだから、これだけでは駄目なのは流石に分かる。
その上で雪野さん・彩風さん・中条さんを仲直りさせないといけない。そうしないと地面が固まらないっ!
『彩風さんごめん。とりあえず今の説明で雪野さんが悪くないって事は分かって貰えた?』
って言うか雪野さんを交渉の日までに仲直りさせるなんて無理過ぎる。
『それって知らなかったら何をしても良いって事ですか? それで言われたアタシ達はどうなるんですか?』
『彩風さんの言っている事も分かるけれど、実際雪野さんの事を信じて彩風さんの事を違反者として見た人はいなかったわけだし、何より倉本君は私たち五人で一つのチームだって言ってくれていたじゃない』
言ってて思う。これは電話じゃ説得は無理だと。
それに私自身も頭の中を整理しないといけない。
『その事だって清くんの判断ミスなんですから、仕方が無いってアタシ言いましたよ』
そうなんだけれど、女側もちゃんと男の人に協力って、この場合はそうじゃないか。
『でも何でもかんでもトップのせいにするのは嫌だって以前彩風さんも言ってたじゃない』 (53話)
一人に責任を押し付けるのはまた違うと彩風さんが言って、倉本君が責任を取るためのトップだって言っていた会話を思い出す。
『……確かにそう言った事もありますけど……』
ここで少しでも彩風さんを畳みかけさせてもらう。
『それに、雪野さんを残す、交代阻止をするって言うのは私と優希君二人の願いだよ。彩風さんの気持ちも分かるけれど、私と優希君を応援してくれるなら、私と優希君の共通の意見も応援してくれると嬉しいかな』
彩風さんの心に響きそうな理由を並べる。とは言っても別に嘘八百を並べ立てているわけじゃない。
これは私と優希君の共通の意見である事には変わりないし、以前彩風さんからも聞いていた言葉を、使わせてもらっているだけの話だ。
『でもその副会長は冬ちゃんに浮気したんですよね』
それでもやっぱりあの金曜日の事は大きい。私も完全に元通りとは行かないし、これから先も忘れられないと思ってはいる。どうあってもそこは女の子、私にとっては本当に大切な事なのだ。
『でも彩風さんも言ってたじゃない――同じ仲間の、友達の悪い話を聞くのって、結構シンドイんですよ――って』 (83話・88話連結)
だけど答えまで分かったのに、優希君と一緒の回答なのに、みんな心の奥底では同じ事を考えているのに、言葉に出すとどうしてここまで違うのか。
『もちろん彩風さんの気持ちも分からないではないからそれに対する文句は言わない。でも彩風さんが好きな倉本君もそれで頑張ってくれてるんだから、協力はしても良いと思わない?』
彩風さんの気持ちに反対することなく、倉本君への理解も促す。
もうズルいと言われようが、何しようが、答えが分かってしまった上に、善意の第三者のカラクリも分かってしまった以上、どういう手段を使ってでも教頭先生の満足する回答を提示してやる。
『……ちょっと考えさせてください。取り敢えずこの話は中条さんにしても良いですか?』
説得までは行かなかったけれど、どうやら頭ごなしの反対では無くしてくれたような気がする。
『もちろん良いよ。それとは別にお願いしたい事もあるから、終業式までに一回約束していたお茶。しに行かない?』
『別にかまいませんけど……』
私のお願いと言うか、お誘いに不服そうな彩風さん。
『そ、そう言えばあれから倉本君はどうだった?』
それでも金曜日の放課後の事も気になっていた事も本当だから、強引にでも話を変えてしまう。
『……なんか、副会長が愛先輩の事を泣かせるんだったら、俺が愛先輩を幸せにするって言って、愛先輩の話と、副会長の悪口ばかり言ってました』
こっちはこっちで酷い事になっている。
私は何度も彩風さんを大切にしてって言っているのに、倉本君は聞いてくれない。
今日は本当に優希君と話し合って決めて良かったかもしれない。
『悪いけれど、彩風さんを涙させている倉本君を見ていると、優希君の事言えないって思うよ』
『……』
だけれど、自分の好きな人の悪口は聞きたくないって言っていた彩風さんは返事をしない。
だから今日優希君と決めたもう一つの話をそのまま口にする。
『それと、次の統括会の時に、私と優希君がお付き合いを始めている事をみんなに言おうと思ってるから』
『――っ! 良いんですか? 大丈夫ですか?』
『むしろ今言わないともうバラバラになりかけているし、これを言い出してくれたのは優希君からだよ』
『そ……そうなんですか?!』
まさか優希君から言い出したとは思っていなかったのか、彩風さんがびっくりする。
だったらこれもそのまま優希君の印象が良くなるように、雪野さんを降ろさない説得に使えるように、少し意識して話す事にする。もう本当に手段を選ばないつもりでいる事を分かって貰う。
『そうだよ。雪野さんに付きまとわれるのも嫌だし、私といる時間が短くなるのも嫌だし、倉本君が私を押すのを見るのも嫌だからって言って、みんなに公表したいって言ってくれたんだよ』
『……本当に副会長は反省したって事ですか? 冬ちゃんに気が無いって事ですか?』
彩風さんの空気と言うか、雰囲気が少し変わる。
『反省したって言うより、元々私のお願いだから聞いてくれていただけで、雪野さんのあの積極性には困ってるって言う話は前から聞いてたよ』
『……その話も、直接副会長に聞いて、中条さんに話しても?』
『もちろん良いよ』
何より朱先輩と優珠希ちゃんの前で言ったのだから、嘘は付けないし倉本君相手に見せてくれたあのむき出しの嫉妬はさすがに嘘じゃないって誰でも分かると思う。だから朱先輩も途中からいなくなったんだろうし。
『……分かりました。その代わり次、副会長が愛先輩を泣かした時には、アタシは何があっても許しませんから』
それでも最後は可愛い後輩らしく、私の気持ちを優先してくれる。
『じゃあ清くんが冬ちゃんの交渉の時に、臨時で開くって言ってましたから、21日の火曜日ですね』
そっか雪野さんの交渉の時にも統括会やるのか。
考えてみれば当たり前の事だ。
『分かった。その時に優希君との事は話すから』
『分かりました。本当はまだまだ聞きたい事、話したい事もあったんですが、もう時間も遅いのでこの辺りで失礼します』
気付けばかなり遅い時間になっていた。
『うん。おやすみ……それと、ありがとう』
だから私の方も、それ以上引き延ばす事はせずに通話を終えて、明日の準備だけを済ませて布団の中に入る。
―――――――――――――――――――次回予告―――――――――――――――――――
「私、そんなに“意地っ張り”でも“頑固”でも無いよ」
変わりない愛ちゃんの意識。いわば盲目の窓
「わたしの頭、撫でたかったら別に撫でてくれても良いわよ」
雨が降った後固まる地面……その結果……
「岡本っ! 約束通り責任取れよ!」
解決に浸る間もなく訪れる次の問題……
「先生! 何で先生は岡本さんばっかり気にするんですか?」
109話 強さの現れ ~信頼の積み木4~