第58話    サイドハーフ対決

文字数 940文字

こっちボールで試合開始

僕は右サイドハーフ

相手の左サイドハーフはあのケースケ

僕がケースケをマークする

小学生の時の決着をつける良いチャンスだ

僕はいっそう気合いが入った



パスを回しながら攻めようとするが相変わらずプレスが早い

ケースケもしっかり僕をマークしている

なんとか振り切ろうとするがみんなマークを徹底している

ユウト君が出したパスはカットされ今度は相手が攻めてくる

お返しだと言わんばかりに今度はこっちが徹底マーク

ケースケにボールが渡ったが僕がしっかりマークしている



ボールをよく見ろ



ケースケをよく見ろ



ケースケは少しニヤっとして強引に抜きにきた

僕はおもいきり肩をぶつけてボールを奪いに行くがケースケはぶれる事なく前に走る



「アアアアアアアアアー。」



「オオオオオオオオオー。」



お互い肩をぶつけながらかなりの距離を走り僕はケースケを転ばせてしまった



「ごめん、ケースケ。」



僕は手を出して立たせようとしたが



バチンッ



ケースケは僕の手を払って睨んできた



「中学からは敵だろ?お互い手加減無しだ。」



そうだった

今は試合に勝つ事だけを考えるんだ

謝るのは試合が終わってからだ

僕は気合いを入れなおした



だが徐々にケースケについていけなくなり

またケースケにボールが渡った

僕は焦って足を出してしまい簡単に抜かれてしまった

それでも必死に追いかけて体をぶつけてまたケースケを転ばせてしまった

僕はペナルティエリア内でファールをしてしまい相手にPKを与えてしまった

ケースケがそれをしっかり決めて

前半残り10分

僕たちは先制されてしまった



僕は何をやっているんだ?

リョウならきっと抜かれなかった

ショウゴなら絶対こんなファールしない

なんで僕が試合に出てるんだ?

自分の事が嫌いになりそうだ



試合を再開してみんな頑張っているのに僕はどーしたら良いか分からなくなっていた



前半残りわずか

またケースケにボールが渡る

僕は抜かれない様に距離を取りすぎた

そのせいでケースケは中に簡単にパス

相手の10番がそれをダイレクトでシュート



ピッピー



ここで前半終了

僕のせいで0対2で前半が終わった



「空ー。」



ベンチに戻るとアキラさんに呼ばれた

交代だ



クソックソックソー



せっかくチャンスを貰ったのに

みんなが応援してくれたのに

何も出来なかった



試合中にも関わらず僕は悔しくて泣いた

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