第41話    違和感

文字数 663文字

合宿3日目

僕は今までにない位気合いが入っていた

僕もシュート君みたいになるんだ

今日こそ全勝目指して頑張ろう



1試合目の相手は初日にやって0対3で負けた県外のチーム

前回はベンチだった

今日は右サイドハーフ

トップじゃないけど僕がゴールを決めるんだ

そう気合いを入れ試合開始

少し走っていると



ん?



なんだろう?右足が変な感じだ

毎日サッカー三昧なんだ足が悲鳴を上げて当然か

僕は深く考えず試合をしていた



「空、縦行かせるな。」



「ナイスー。」



遠慮がちだったみんなも合宿3日目ともなると積極的に声が出る様になった

僕にパスがきた

縦に突破して中に入れてやる

そう思ってドリブルしたが上手く走れない

僕は右足に違和感を感じていた

今日こそ全勝するんだ

とにかく走らなくちゃ

でもなんでだろ?右足が痛い

なんとか0対0のまま前半を終えベンチに戻るとアキラさんが



「空、交代だよ。」



もっと試合に出たいのに

シュート君みたいになれる様に頑張りたいのに

僕は納得いかない表情をしていた様で



「足痛いんだろ?今は無理する時じゃないからそんな顔するなよ。」



アキラさんは笑顔で

でもなんだか複雑な顔で言ってきた

試合は結局0対0の引き分けだった



「空、今日はもう出ないからまた3年の試合見てきていいぞ。」



僕もっと試合したいのに

もっと頑張りたいって本気で思ってるのに

アキラさんはまた



「さっきも言ったろ?今は無理する時じゃない。ケガをなめるな。」



そー言えばアキラさんはケガが原因でプロをやめたんだった

僕は少し反省して3年生の試合を見に行った



なんで今なんだろう?



コートに向かう途中



僕は悲しくなって少し泣いた
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