第6話 ルールわかってる?

文字数 857文字

数週間が過ぎまた試合の日が来た
毎日父さんと練習したし月曜はスクールに通っていた
自分でも上手くなっているのを感じていた

今日こそは試合に出たい
そう思いながら会場に着くと熱が出たり急に用事が出来たりで9人しかいなかった

少年サッカーは8人制なので1人がベンチになる
頑張って来たしもしかしたらと少しはと思ったがやっぱり僕がベンチだった

今日は3試合あるしまた少しでも出れるかもしれない
試合に出れたら死ぬ気で頑張るんだ
そう思いながら試合を見ていた

1試合目0対0のまま終了間際にケースケが相手選手と接触して転んだ
そのまま1試合目は終わった

ケースケが歩けない

足を捻ったのか怪我をした様だ

「腫れ具合からして骨に異常があるかもしれない。とにかく病院に行った方が良い。」
村上コーチが言ってケースケは渋々病院に行った

行く前に僕の所に来て
「空じゃ俺の代わりは無理かな。みんなの足引っ張んなよ。」
脂汗をかきながら笑顔で言ってきた

ケースケの分も頑張らなきゃ

僕は少しプレッシャーを感じていた

2試合目ケースケの代わりにトップで出た
フィールドのポジションはトップ、ハーフ、バックがありトップは1番前で簡単に言えば点を取るポジションだ

「自信を持ってとにかく走れ。練習では良く出来てるんだ。頑張れ。」
村上コーチが僕の背中を押してくれた

ピーー

キックオフだ
僕はとにかく走った
ボールに向かって、相手に向かってとにかく走った
良い所でパスをもらえる様にスペースにも走った
スペースに走った時、パスが来た
完全にフリーで最高のチャンスだと思った


ピーー

オフサイドだった

「何やってるんだよ。ルール解ってるのか。」
佐々木コーチの怒鳴り声が聞こえたが気にしてる余裕は無かった

その後も一生懸命走った
心臓が破裂するかと思ったけどそれでも走った
僕は結局シュートを決める事は出来なかったけどタクミとセイギが1点ずつ決めて2対0で勝った

「ナイスラン。凄く良かったぞ。」
村上コーチが褒めてくれた

「あと1試合ある。よく休んで次の試合も頑張れよ。」

嬉しくなってもう1試合も死ぬ気で頑張ろうと思った
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