んで、この世界の人間どうなってんの?……最低。

文字数 991文字

「「「「「「へぇ~。」」」」」」
いや、感心しすぎ。
そういや、ドワーフさんは何て名前なの?
「リブラエンス、と言います。ヒュウルさんにはリブルと呼ばれています。」
「リブラって呼ぶね!」
「リブラ、地域情勢について教えてくれない?」
「はい……。」

昔は、人間たちは私達異属とともに暮らしていたそうです。
けれど、近年は人間たちは美女が多く出るフェアリーを奴隷化したり、私達ドワーフを人間の国に連れて行って工場などの人員として使ったり……。
ほかにも、ドラキュラ族にとって有害な物質が昼間、多く出るようにしたり、見た目が違うスカル族などを迫害したり……。
そもそも領主や国王が別種族嫌いでエルフが迫害されている国もありました。
もともとこの国は国王が別種族とも和解して生きていく道を示していますが、王子たちは人間が生きていればよいと考えているのです。国王亡き今、国は荒れに荒れています。
この国にはスカル村や人狼村、私の故郷のドワーフ街、エルファー村など、異種族が住むところがとても多いのです。
この世界では異種族がこの星の人口の80%を占めています。
もし、異種族が滅亡してしまった場合、この星の生命体は滅びるも当然でしょう。
今だって、異種族を迫害し、お金を奪い取り、奴隷にして無理やり働かせて、それでも生きていくのが大変なのですから。

「……潰すか、そいつら。」
「やろう。」
「そうね。」
「そうしたほうがいい。」
徹底的に潰す。人的被害は最小限にして、私達に畏怖を抱かせる。それだけで十分だ。
もちろん危険が伴う。けがだってするかもしれない。最悪の場合、死んでしまうかもしれない。
それにこの世界のことをよく知らない。わからない。
でも、吸血族達、エルフ、フェアリー達、スカルさん達、そしてリブラさん達ドワーフ。
そんなにたくさんいる。私たちは勇者の仲間。命を背負っている。
……助けないわけには、いかない。
「さあ、戦いの始まりよ。これからめいっぱい、潰して潰して、滑らかにして、本当の絶望をいい気持ちしてるやつらに味わせてあげましょう。」
「……。(蒼、ヤバい、キレ気味だ)」
「……。(一番ヤバいモードに入ってるよ)」
「……。(楽しそうにしてるところ見ると、なんで黒魔法使いかよくわかる気がする。)」
「いいよねっ?」
「「「「「は、はいっ!」」」」」
こうして(半ば強制的に)勇者一行と人間軍団は相まみえることになったのだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み