腐れ縁

文字数 283文字

酒が飲めぬと悲しいが
酒を飲めても悲しくなる
酒が無い夜は不安が忍び寄る
酒が有る夜は不安と肩を組み笑う
歌って騒ぐ
そして酔い潰れて
正体無くしている間は
ちょっと用ができたとばかりに
不安はどっかに行ってしまう
あの野郎調子に乗りやがってと
さらに、飲む

気がついて
一人布団で二日酔いに苦しんでいる時に
不安はずっと傍にいて
慰めもせずただじっとしている
どっかに行ってしまえ
と追い払う気力もなく
不安が語りかける物語を
ただただ聞いている
お前に慈悲はないのかと問いかければ
慈悲故にそうするのだと応える

ああ、不安よ、お前が嫌いだ
憎んですらいる
でもお前がいない生活は
酒もたいしてうまくはないだろう
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