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酒中偶成
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明日が来るのが怖くて
文字数 171文字
明日が来るのが怖くて
ネットの海に茫漠と漂う
漕ぎ手のない船は
暗い海路にさまよって
小さな手のひらサイズの
ディスプレイに目を焼いて
日の沈んだ方向へ
延々と逃げ続けている
水底に沈んだ栄光をめがけて
延々と潜り続けている
やがては昇る明日の日が
この腐った身体と心を
燃やし尽くしてくれたらいいのに
ああほんとうのひかりと旅のすばらしさを
焼き付けてくれたらいいのに
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今日も酒に脳を溶かして
ああこの大気の水底に沈む我々は
雨垂れを肴に飲む
アテのない旅
消さずにおこう
ひとたび愛を知ったなら
何者にもなれなかった残骸が
遅咲きの花
自分がカラッポだから
明かりを消して寝る前に
明日が来るのが怖くて
いつでもぼくはゆらいでいて
酒に呑み疲れて
酔いどれてひとり歩く
花火
ああ、絶望を洗い流しておくれ
自分を自分で上塗りして
腐れ縁
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