第5話
文字数 479文字
リクと玄太は支度をして外に出た。
玄太は庭の隅にある墓に手を合わせた。するとリクも隣に来て一緒に手を合わせた。
「おじさん、ここは誰のお墓なの?」
「リク、お前は墓がわかるのか?」
「うん。お父さんのお墓があるから。もうずいぶん行ってないけど、死んだお父さんが入ってるところがあるんだ。だから知ってる。大事な人が死んじゃったんだね」
「そうだ。ずっと一緒に暮らしてきた妻のゆり子の墓だ。おじさんを残して死んじゃったのさ」
「そうか、だから、寂しくて友達を探していたんだね。おじさん、僕が友達になってあげたから、もう大丈夫だね、寂しくないよね」
「あぁ、そうだな。おじさんはひとりぼっちじゃないもんな……さぁ、母ちゃんが探してるかもしれないな、行こうか」
「うん、ありがとう。おじさんはいい人だね。僕はいろんな大人の人を知ってるけど、今まで出会った誰よりもいい人だよ」
「いい人?……そうさな……友達だからな」
リクは声をあげて笑った。
(リクが初めて笑った……)
屈託のない子供らしい笑顔だった。
その時、玄太はリクとこのままずっと一緒に暮らせたらいいのに……と心から思った。
玄太は庭の隅にある墓に手を合わせた。するとリクも隣に来て一緒に手を合わせた。
「おじさん、ここは誰のお墓なの?」
「リク、お前は墓がわかるのか?」
「うん。お父さんのお墓があるから。もうずいぶん行ってないけど、死んだお父さんが入ってるところがあるんだ。だから知ってる。大事な人が死んじゃったんだね」
「そうだ。ずっと一緒に暮らしてきた妻のゆり子の墓だ。おじさんを残して死んじゃったのさ」
「そうか、だから、寂しくて友達を探していたんだね。おじさん、僕が友達になってあげたから、もう大丈夫だね、寂しくないよね」
「あぁ、そうだな。おじさんはひとりぼっちじゃないもんな……さぁ、母ちゃんが探してるかもしれないな、行こうか」
「うん、ありがとう。おじさんはいい人だね。僕はいろんな大人の人を知ってるけど、今まで出会った誰よりもいい人だよ」
「いい人?……そうさな……友達だからな」
リクは声をあげて笑った。
(リクが初めて笑った……)
屈託のない子供らしい笑顔だった。
その時、玄太はリクとこのままずっと一緒に暮らせたらいいのに……と心から思った。