第3話

文字数 256文字

 二本目の缶を開けて、部屋のクッションに寝転んだところで、玄関のチャイム音がけたたましく鳴った。
 思わず時刻を見た。
 10時半。
 これまで、僕のアパートを訪ねてきたのは、せいぜい契約を求めるNHKか新聞屋くらいで、滅多に誰も来ない。
 ましてや、深夜。
 不審でしかない。

 僕は、げっぷをしながら、ふらふらと玄関のスコープに顔を近づけた。
 白いワイシャツ姿の、髪の長い人が立っている。
 前髪で顔がすっかり隠れているが、背丈や細い肩回りからして女性のようだ。
 一瞬、彩実が追ってきたのかと思ったが、シャツの色が違う。
 
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