第12話
文字数 247文字
「マサシー!」
その声で、先ほどの女性だと分かった。
「どうして? ねえ、どうしてなの?」
彼女は、ゼイゼイと息しながら、いかにも恨めしそうにいった。
「だ、だから、僕、マサシじゃないんですよ……」
「マサシ……許さない。ぜったい」
彼女には、聞こえていない。僕は戦慄した。
僕の顔が暗くて見えないから、彼と思い込んで襲ってきたのだろうか。
が、あいにく電灯のスイッチはトイレのそばにしかない。
彼女は、僕の耳元で、冷たい吐息とともにささやいた。
「私、もうすぐ死ぬの。だから、あなたも一緒に死んで?」
その声で、先ほどの女性だと分かった。
「どうして? ねえ、どうしてなの?」
彼女は、ゼイゼイと息しながら、いかにも恨めしそうにいった。
「だ、だから、僕、マサシじゃないんですよ……」
「マサシ……許さない。ぜったい」
彼女には、聞こえていない。僕は戦慄した。
僕の顔が暗くて見えないから、彼と思い込んで襲ってきたのだろうか。
が、あいにく電灯のスイッチはトイレのそばにしかない。
彼女は、僕の耳元で、冷たい吐息とともにささやいた。
「私、もうすぐ死ぬの。だから、あなたも一緒に死んで?」