第7話

文字数 246文字

「ヒック、ヒッ……」
 その声が耳を打っていたが、やがて彼女がドアに手をつくような音がした。

「ヒッヒッヒッ……あーっははははは!」
 笑い声だったのか。
 あるいは、気が触れたのか。
 僕は、呆然となる。
 
「あはははは!」……ダン!
 笑い声に混じって、ドアをぶっ叩く音がした。
 ドアに寄っかかっていた僕は、その大きな振動にむしろ目を見張る。 

「そんな下手くそな嘘つかないでよ! この私が騙されると思ってんの?」

「なんで私をこんな目に遭わせるの?」
 ドアがさらに叩かれる。
「いいから出てきなさいよ!」 


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