第6話:田嶋の結婚・出産と海外勤務

文字数 1,895文字

 結婚式も形式通り終了し、披露宴会場に行くと、多くの人がフラッシュをたいて、写真を撮った。その後、余興や新郎新婦の両親への挨拶の言葉などをして、和やかなうちに結婚式を終えた。翌日6月21日から北海道、札幌、小樽を2泊3日で新婚旅行に出かけた。その後、田嶋好夫が池添家の大きな家の6畳2間を借りて住み始めた。

 1983年6月25日からM物産橫浜支店に出勤して、また、いつも通りの営業の日々が続いた。夏休みが終わると、9月が過ぎ、1983年10月28日、絹恵の妊娠がわかり出産予定日が1984年6月30日とわかった。そして、12月になり絹恵のお腹が大きくなり、クリスマスパーティでも、たくさんのケーキを食べていた。

 やがて1984年。もちろん初詣ででは絹恵さんの無事出産と子供の健康を祈願してきた。1月5日に出社すると今年からアメリカへ出張し、チームの一員として交渉作業に参加してくれと言われた。その後1月10日にニューヨークへ飛んだ。それからは週に1回、田嶋好夫に便りを送り続けた。

返信には、仕事での話や成功例とアメリカでの生活、文化の違いなどを書いてきた。たまに便りがない時はアメリカを飛行機で飛び回り自宅のマンションに帰れな日々が続いていた。1984年4月20日、会社の近くの食堂で昼食をとり、昔の電電公社ビルの古めかしいビルを探検しようと入り、今、使われなくてロープが張ってある所をくぐった。

 そして地下室に続く階段を降り、外から見えない踊り場の回った所で、急に耳鳴りがして、身体が動かなくなって、意識を失った。どれ位だっただろうか、意識があるのか、無意識なのかわからないが、何か映画を見てるような感じで、どこかで見たような顔の男性が病院のベッドに横たわり、目の下にくまがあった。顔がはっきりと見えないが、がっちりした体格だった。

 その後、私と他の女性が、うれしそうに、お酒を飲んで乾杯してる画像が見えた。そうして、グラスを倒して、あわてている自分の姿が見え、そのまま、何も見えで深夜放送をつけっぱなし画面の様になり、耳元で大丈夫かと言う声が聞こえ身体を揺すられて気がついた。こんな所で妊婦が何してるのと、このビルで働いてるという女性が第一、ここはロープが張ってあり、立ち入り禁止ですよ、注意された。

 の後、会社に戻った。夕方になり仕事を終えて、新横浜の自宅に帰り、自分の部屋で、今日の出来事を詳しく日記に書き入れた。5月25日から産休に入り6月27日に近くの産婦人科に入院して1984年6月30日早朝に男の子を出産し田嶋賢人と名付けた。やがて絹恵は8月30日まで産休をとっていたやがて8月10日に田嶋好夫が帰国して2週間の休暇をもらい帰ってきた。

 2人で家でゆっくりして過ごし、再び8月24日にニューヨークへ飛んだ。今年はニューヨークを中心に多くの商談を手がけ成功を重ねて夏のボーナスも同期の中ではダントツの金額だったようだ。その後、西海岸、ロサンゼルス、サンフランシスコのでの商談にも参加して交渉の上でを磨き成功を重ねていた。田嶋好夫さんの交渉上手は橫浜営業所でも有名になった。

 その後9月1日から絹恵が出社し事務の仕事をこなし定時に仕事を終えて6時半には家に帰ってきて赤ちゃんの賢人の面倒を見ていた。 その後、田嶋好夫から1984年12月20日に日本に帰ると知らせがあり帰って来た。しばらくして1985年を迎えて初詣でに出かけ家内安全と健康、繁栄をお願いした。そして1月7日に田嶋好夫が飛び立って行った。

 1985年4月14日、また体調が悪いと産婦人科にかかると妊娠4ケ月とわかり、出産予定日が1985年9月20日と言われた。8月14日から産休に入り9月17日に近くの産婦人科病院に入院した。1985年9月20日、女の赤ちゃんが誕生し、後日、織絵と命名した。一方、田嶋好夫が1986年、西海岸でのお客さんの開拓に先輩と3人のグループで行動して、シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴでの市場開拓、新規顧客作りに飛び回っていた。

 小さい子供を抱えての仕事に頑張る絹恵の姿を見て義理の母の範子さんが大変ねと慰めてくれ小さい子供の面倒をよく見てくれた。その後、秋が過ぎ田嶋好夫が、今年は12月20日、帰国を許され早めに帰ってきた。そして本社に呼ばれて係長に昇進した。入社5年目の係長就任は、あまり前例のないスピード出世、更に今年は特別に2週間の休暇が認められた。これはM物産の役員の池添幸夫が手を回してくれた事と田嶋好夫の業績の良さのため会社が配慮してくれたためだった。
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