エピローグ

文字数 1,319文字

ここは上空……天国。


そこには愛莉がいた。

愛莉さん。あなたもこちらに来てしまったのですね
ウィリアム……
全て見ていましたよ。雲の上からですが、貴女が下界でやっていたこと
ごめん、ウィリアム。復讐なんてしても、ウィリアムが喜ばないってこと。本当は分かってたみょん
涙を拭って、顔を青くしながら微笑む。
愛莉は秀男を絞殺してアリバイを作り、予め用意していた遺書でメアリーに罪をなすりつけるつもりだったみょん
でも愛理は作戦を続行して、メアリーのコテージに毒を仕掛けて由美子を殺しに向かったみょん
そして由美子さんに返り討ちに遭い、愛莉さんと由美子さんのコテージを入れ替えたんですよね?
由美子は前日ラビのコテージに泊まってたし、次の日は秀男殺しでゴタゴタしていたから自分のコテージはほとんど使ってなかったっぽいみょん
だから綺麗に掃除して仕舞えば、自分のいた痕跡が消せると踏んでいたみたいみょん。愛莉のことを殺した由美子は自分のコテージを掃除して、最後に念の為水を撒いて痕跡を洗い流したんだみょん
これが事件の真相だみょん
そう……だったのですね
愛莉はずっと……ウィリアムを救えなかったこと、後悔しつづけてきたみょん
愛莉は経済的に余裕があった。もしあの時ウィリアムの状況を知っていたら、助けてあげることができたかもしれなかったみょん
いえ。気にしないでください、愛莉さん。自殺したのは、僕が悪かったのです
僕は考えが足りなかった。誰にも迷惑をかけたくなかったので自殺してしまったが、そのことで愛莉さんを苦しませることになってしまうとは……。残された人たちの気持ちを、考えてあげられなかったんだ。本当に申し訳なかった
ウィリアム……
その後また涙を拭って、頬を赤らめる。
じ、実は愛莉……。ウィリアムに伝えたいことがあるんだみょん
え……
ウィリアムも頬を赤くして、照れ隠しする。
じ、実は僕も伝えたいことがあったんです
ええっ!?なんだみょん?
いや……。先に愛莉さんから言ってください
いやいやいや!先にウィリアムの話を聞きたいみょん
僕のは真面目な話しだから、後にしてもらえないかな?
ウィリアムはさらに頬を赤くする。
愛莉の話だって真面目なんだみょん!だから、ウィリアムの話から先に聞きたいみょん
ええ……。ちょっと照れくさいんですけどね……
あのね、愛莉さん
ウィリアムさん。こんなところにいらしたのね
ああ、ちょうどよかったフラーシア。紹介するよ。こちら大学からの友人の愛莉さん。愛莉さん。こちら僕がお付き合いさせてもらってる、フラーシアです
どうも初めまして。フラーシアと申しますわ
私死んでから気づきましたの。生前の私は、人様に迷惑をかけてばかりのいけない子でしたわ。まさか殺されるほど、人様から恨まれているとは思ってもみませんでしたの
私はここで今まで迷惑をかけてきた人たちが幸せになれるよう、毎朝毎朝祈りを捧げ続けていますのよ
そして僕は、そんな彼女の一途な思いに心惹かれたのです
愛莉さん。あなたは僕の大切な友人の1人です!だから、貴女に早く伝えたかった!
僕たち!
私たち!
結婚します!
それを聞いていた愛莉の魂は、またしても抜けてしまったという。


殺人計画を実行していたから、当たり前だよね……

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登場人物紹介

真央

主人公。女。感情派の探偵。自分を名探偵だと思っている。動機と人間心理が大事

大和

もう一人の主人公。男。論理派の探偵。トリックが全てだと思っている

愛莉

女。西園寺コンポレーションのご令嬢で、お金持ち。わんぱくで元気

由美子。

占い師。女。元㊙️倶楽部の部長。真面目でしっかりしているが、どこか抜けているところがある

メアリー

占い師。元㊙️倶楽部の副部長。お嬢様のような話し方だが、理屈っぽく取り止めがない雰囲気

鈴音

本屋の店員。女。元㊙️倶楽部のツッコミ役。常識人でしっかりしている

ラビ

医者。男。元医学部で頭がよく、成績を自慢しているウザキャラ。かなりの自己中で、他の人を見くだしている

秀男

男。職業は不明。かなりの変人

アイス

妖精警察の警部。男。へっぽこすぎて使い者にならない。なぜ警部になれたのか不思議なレベル

エンジェル

妖精警察の刑事。女。真面目だが、頼りない

ウィリアム

元㊙️倶楽部のメンバー。お人よしで、断るのが苦手

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