事件の真相①
文字数 1,624文字
元㊙️倶楽部のメンバー内で起きた、連続殺人事件。その黒幕の名は……!
そ、そんなバカな!?殺されたはずの愛莉殿が、この事件の真犯人ですと!?
ミステリーの世界では焼死体が実はダミーで、死んでたと思ってたら生きていたって展開はありますけど、そのパターンとでも!?
そんなわけないウサ!あれは間違いなく愛莉だったし、間違いなく死んでたウサ!
別にダミーの死体を用意したトリックじゃないよ。気になることもあるだろうけど、第1事件から順番に説明していくよ
第1の事件の解説……といっても、俺が推理した内容のまんまだけどな
愛莉はまず、秀男の料理に睡眠薬を軽く混ぜておいた。そうして秀男は眠くなり、コテージに帰ってしまう
ここでいうコテージとはもちろん、8番コテージじゃないぜ。愛莉のコテージと入れ替える前の、本館に近い位置のコテージだ
それから愛莉は本館で格ゲー大会を行い、アリバイを作る。そして深夜1時頃に、トイレへ行くふりをして外を抜け出す
近い位置のコテージなら、往復5分から10分ってところだぜ。俺たちは大きい方をしに行ったんだと思って、特に気に留めてなかった
愛莉は秀男のいるコテージへ到着。鍵はかかってたかもしれないけど、愛莉には関係ないね!
マスターキーを海に落としたらしいけど、それはダミー。実際はマスターキーを隠して持っていた!愛莉の死体のポケットから見えていたから、ほぼ確実
鍵を開けて、秀男を絞殺。絞殺に使うロープは、本館の物置から取ってきたんだろう
で、すぐに本館へ戻って格ゲー大会に参加。引き続きアリバイを作る
充分アリバイを作り終えた後、俺と鈴音が寝落ちしたのを見計らってもう1度秀男のコテージへ向かう
秀男とその荷物を、愛莉が使っていた8番コテージに運ぶ。逆に愛莉の荷物は秀男のコテージに運ぶ。こうして秀男と愛莉のコテージを入れ替える
昼間に秀男を自分のコテージに招き入れたのは、その布石。愛莉のコテージに秀男の指紋が残っても、言い訳ができる
そ、そこまでは聞いていた通りです!問題は次の第2の事件です!
ああ、悪いね。順番にって言っちゃったけど、先に第3の事件の話をさせてくれ
第1第2と殺人を繰り返していけば、ターゲットのガードが次第に固くなっていく。だから警戒の薄いうちに、第3の事件の仕掛けをしておいたんだ
真央の奴が疑われ、交代で監視することになった。そしてメアリーが監視役になったタイミングで、マスターキーを使ってメアリーのコテージへ侵入する
メアリーのカバンの奥に、予め用意してあった小瓶と遺書を仕込む。そしてメアリーを殺すため、毒の仕掛けを行う
あったよ。真央も1日目の夜にコテージで氷入りの水を飲んだ記憶があるし、冷蔵庫に製氷器が入っていたよ
確かに、私もラビのコテージでオレンジジュースを飲んだな
製氷器の氷の中に一つだけ毒を仕込んでおいたんだ。それをメアリーのコテージに持っていって、メアリーの製氷器とすり替えた
コテージにはエアコンがついてなかった。水に氷を入れたくなるのも分かるよ
毒入りの氷をメアリーのコテージに用意していた可能性もあるが、多分真相はそうじゃない。わざわざ秀男の死体を発見させるのを待ってから、氷を入れ替えに行ったんだと思うぜ
メアリーは警戒心が強かったし、殺される心当たりがあったんだろうからね。殺人が起きれば、用意してあった氷は警戒して使わないかもしれない
実際ミネラルウォーターには手をつけず、水道水を飲んでいたみたいだからね
そんなメアリーも戸締りを始めた後に自分で作った氷なら、安全だと思ってしまったのだろうな
そんなわけで、第3の事件を引き起こす準備を整えたんだ。その後に第2の事件に向けて、再び動き出した
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