第23話 交わらない視線<奔走>

文字数 7,726文字


 結局月曜日・火曜日といくら蒼ちゃんの携帯にかけても、蒼ちゃんが電話を取る事は無かった。だから中間試験の勉強も一緒にすると言う口実すら蒼ちゃんには未だ伝えられないでいる。
「ちょっと慶! あんた最近ちょっとだらけ過ぎ!」
 一方慶の方も夜帰って来るのが遅くて、寝るのも遅いから朝も必然遅くなる。
「うっせぇな! ねーちゃんもババァみたいな事言ってんじゃねーよ」
 慢性的に生活リズムが崩れ出すと、機嫌が悪くなって言葉遣いも悪くなる。
 私も体がだるい事も手伝ってか、意識をしていてもどうしても小言口調になってしまう。
「慶! 帰って来るのが遅いからしんどいんでしょ? 友だちとの付き合いも大事かもしれないけれど、あんたそのうち体壊すよ」
 こっちも体がだるくて、お腹の調子も良くないのにそんな事お構いなく
「ほんとババァかよ」
 口悪く慶が文句を返してくる。
 最近口の悪さすら言っても聞きもしない慶は気づいていないのかもしれない。
 最近朝以外にゆっくり会話すらできていない事に。
「じゃあ俺もう学校行くから」
 朝食もそこそこに、慶がうっとおしそうにお弁当だけは持って先に登校してしまう。
 そんな慶をため息をつきながら見送り、今日は特に朱先輩に言われている7つ道具を意識して、私自身も学校へ向かう事にする。


 何とかして蒼ちゃんと話したかったけれど、教室に入った時点ではまだ蒼ちゃんの姿は無かった。
「実祝さんおはよう」
「ん。おはよう」
 実祝さんが一度私に視線を合わせて、また手元に視線を落とす。
「実祝さんそれ単語帳?」
「ん。でも中身は芳香族化合物の反応式とか、用語説明」
 私の質問に今日は隠すことなく
「見る?」
 実祝さんが中身を見せてくれる。
「これ実祝さんいつ作ったの?」
 確か図書室でもこれらしいのを作ってるのを見たことが無い。
「これは家で作った。今度こそ愛美に理系科目では負けない」
 久々に実祝さんのその言葉を聞いた気がする。最近悲しい事、残念なことが多い中でいつもと同じ実祝さんとのやり取りに安心を感じている自分自身がいる。
「文系科目では勝てないから、理系科目では負けないよ!」
 だから私はそんな実祝さんに答えるためにも、全力で競い合うと決意する。
「でも、テストまでは分からない所は愛美に聞く」
 私が自分の席へ戻ろうとしたところで、実祝さんが少し慌てたかのように言葉を付け足す。
「でも勝負するんだよね?」
 そんないつも通りのやり取りが嬉しくてついつい意地悪を言ってしまう。
「……じゃあもういい」
 みんな実祝さんは“とっつきにくい”と思ってる人が多いけれど感情も豊かで“喋りにくい”なんてとんでもない。今は蒼ちゃんの事で教室内の空気は悪いけれど、今の実祝さんを見てもらえれば誤解は解けるのだと思うのだけれど。
「ごめんごめん。冗談だって。私も国語・英語で聞きたい事あるし……ね?」
 私は再び実祝さんの方へ向き直ってお願いをする。
「愛美はずるい」
 今度は私に視線を合わせる事無く、でもセミロングの髪を耳にかける時の実祝さんの耳はほんのりと色づいている。多分実祝さんが照れた時の仕草なのかな。
「今日も放課後は図書室?」
 友だちの新たな発見に小さく微笑んで
「そのつもり」
 私は改めて
「分かった」
 自分の席へ戻る。
 今回は端から見ても実祝さんが勉強しているのが見て取れたからだろうか。それとも蒼ちゃんの事が話題を占めているからだろうか、ヒソヒソ話が聞こえてくる事は無かった。
 実祝さんとしゃべる事は出来たけれども、蒼ちゃんとは喋ることが出来ないまま、この日も午前の授業が始まる。


 昼休みも蒼ちゃんと話したかったのだけれど
「で、結局行けそう?」
 咲夜さんが月曜日の返事を求めて私の正面に腰掛ける。
 そう言えば咲夜さんの件も謝らなければいけない。最近は蒼ちゃんの事が頭に一杯で返事をするのを忘れてた。
 蒼ちゃんの席を見てももう蒼ちゃんはいなくなっていたから、この昼休みも蒼ちゃんを諦めて咲夜さんとお昼をする事にする。
「返事遅くなってごめんね。今回は急な話で家もバタバタしていて無理かも。ホントごめん」
 学力テストの時は慶もこんなに荒れていなかったし、蒼ちゃんと一緒に勉強するって言うのも宙ぶらりんになったままだ。それに今回は実祝さんのお願いでもあるから。
「えー。愛美さんなら良い返事してくれるって思ったのに」
 もちろん気持ちとしては一緒にしたかったけれど、その実祝さんから2人が良いってお願いされたから、あの実祝さんの表情からそのお願いを無碍にすることは私には出来なかった。それに何より、蒼ちゃんと話が出来ていな事もまた私の中の気がかりとして、心の中にずっと残っている。だからそっちに時間を割きたいって言う思いがあるのもまた私の本音なのだ。
「その代わり空いている時間で良ければ、質問には答えるからそれで機嫌直してもらえないかな?」
「こっちは見てもらう側だからあんまり無理は言えないけど、それじゃあテスト終わってからでも良いから、一回お茶しよう。それなら大丈夫だよね?」
 私のお願いに咲夜さんが渋々と言った体で、妥協案を出してくれる。
「うん分かった。あんまり遅いのは駄目だけれど、付き合うよ」
 どのみち最近慶の帰りも遅いから、多少友だちと遊んで遅くなったとしても不都合はない気もする。まぁ慶の中間テストの日程次第なところもある気はするけれど。
 結局咲夜さんには教室内・学校内では話しにくい話題もあるからと言う事で咲夜さんの誘いに返事をする。
「でも、蒼依さん変わり過ぎじゃない? 愛美さん今週一回も蒼依さんと喋ってないでしょ」
 私の色よい返事に満足したのか、話題が蒼ちゃんの事に移る。
「それでも蒼ちゃんは私の友達だって事に変わりはないよ」
 本当に。蒼ちゃんを知ってる私からすれば変わり過ぎだと思う。そう、不自然すぎるほどに。そもそも
「行動自体は蒼ちゃんが起こしてるかもしれないけれど、付き合う話を広めたのは戸塚君で間違いないんだから蒼ちゃんもどちらかと言うと被害者なんじゃ?」
 蒼ちゃんは隠したかったはずなんだ。
「いやいやあの戸塚君と付き合えて、被害者面したらそれこそ女子から総スカン食らうって」
 何で咲夜さんも含めてそこまで戸塚君を立てるのか分からないけれど、私の中では蒼ちゃんの意見も聞かずに広めてしまう戸塚君には、はっきり言って良いイメージは無い。
「でも付き合うって言うのはお互いの意見を尊重しあうものじゃないの?」
 今のこの状況じゃあどこにも蒼ちゃんの気持ちなんてない。
「愛美さんって純粋だよね。なんか愛美さんにはそのままでいて欲しい」
 私は当たり前のことを言ったはずなのに、純粋とまで言われる。
「それに愛美さんに彼氏が出来ても、ここまであからさまな態度は取らないと思うし」
「あからさまって言うか、蒼ちゃんの意見も聞いてみてからでないと」
 人気(にんき)のある男子と付き合うとこうなってしまうのか。
「ま、勉強の事は分かったよ。その分はテスト後のお茶で手を打つからよろしくね」
 腕時計を確認した咲夜さんが、言いたい事だけを言って自分の席へ戻っていくのを見送る。
 気が付けばこの昼休みも諦めたとはいえ、蒼ちゃんとは喋れずじまいだった。


 午後の授業も終わり、ホームルームの際にも今度は時間が短すぎて、蒼ちゃんとは喋ることが出来ないまま放課後を迎えてしまう。
「ちょっと悪い岡本。また職員室まで来てもらっても良いか?」
 テストまで時間が無いから、実祝さんと図書室で一緒に勉強しようとしていた所に先生から声を掛けられる。
「別にかまいませんけれど、次は何の話ですか?」
「ああ、ここじゃなんだからあっちで話そうか」
 先生は私の質問に返事を濁すと、私をそのまま職員室へと誘導する。
 実祝さんと図書室での約束をしていた私は、実祝さんに小さく手を合わせてから、職員室へ向かう担任の後をついていく。
 職員室に入り、例のパーティションに囲まれたソファに腰掛けて先生が来るのを待つ。
「悪いな。テスト前なのにまた来てもらって」
 前回の事も覚えているのだろう。と言う事はまた統括会絡みか。
「また岡本に聞きたいんだが、今週はテスト期間で部活動は禁止のはずなんだが、部活をしていた者たちがいてな、岡本も生徒の間でそんな話を聞いた事は無いか?」
「先生失礼ですが、それは本当の話ですか?」
 前回の非行をする生徒の事も噂だけで、その真偽も顛末も統括会には流れて来ていない。もし何かあれば、総務の子も会長も何か言ってくれるはずなのだ。
「いや、先生は嘘は言ってないぞ。大体統括会と教師側は信頼関係じゃないか?」
 こっちはこっちでただですら色々ある上に、今日は体もだるいってのに先生側は自分たちの事を棚に上げる。
「信頼関係とおっしゃいますが、前回の服装チェックの時、統括会に要望を出した割にはそれから何の連絡もなかったですよね? 途中で一度も進捗を確かめる事も、報告も聞きに来ても無いですよね?」
 あの議長である雪野さんともめた金曜日に、全員の連絡先を交換してから会長と総務の子が教師側に顛末を報告に行っているはずなのにそっちからも何の連絡もない。
「いや、あれは何の問題もなかったからな」
 私の質問に嘘をつく先生。
 少なくとも統括会に要望すると言う事は、例の金髪の子の事は学校側も把握しているはずなのだ。その事は私自身が金髪のあの子が保健の先生に向かって話をしているのを実際に私は見ているし、学校側が知らなかったと言うのはちょっと通す事は出来ない。
 それを差し引いたとしても教師側に生徒を売るようなことが出来るわけないのだ。
 そうなる前に、統括会側で何とかしてしまおうとするから。
「じゃあその連絡だけでも頂ければよかったのでは?」
 それが信頼関係だと私は思う。
「それに関しては面目ない。教頭先生・生徒指導の先生に確認しておく」
 私の言葉に担任の先生が頭を下げる。まあでも担任だけが悪いとかじゃなくてこの学校の体質なんだろうと思う。なんだか最近この学校が風通しの良い学校とは違う側面が色々見えてきている気がする……私が思ってる学校とは違うのかもしれない。
「で、話を元に戻すが活動している他の部活動などを知らないか?」
「じゃあ本当に活動していた部活動“など”があるんですか?」
 信頼関係と言うなら、ここでその名前くらいは聞き出せると思う。
「いやそれは……職員会議で口止めされているから」
 私の質問に目を泳がせる担任。
「今さっき先生が信頼関係って言ったばかりですよ? また非行生徒や服装チェックの時みたいにうやむやにしますか?」
 今日辺りから体もだるいし、お腹に少し不快感もあるのも手伝ってちょっと私の言葉も悪いかもしれないけれど先生相手だからとかそんなの関係ない。
 統括会との信頼関係と言うなら、よっぽどその言葉のやり取りの方が大切だと私は思う。
「前回までの事は水に流したとしても、今回は実際に部活名が特定できているなら名前言えますよね? 前回と違って」
 前回もそうだけれど、初めから生徒を疑う教師側の態度に言葉がきつくなっているのが自分でも分かる。
「……園芸部だよ」
 私の先生を見続ける視線に根負けしたのか、苦虫を噛み潰したような表情で部活名を口にする先生。でも何かおかしい。
「先生。違反した部活は一つじゃないんですよね?」
 私は確信をもって先生に聞き返す。
 私の質問に再び先生の視線が私の膝辺りに集中する。
 私は先生の視線を意識して足を閉じて、少しでも素足を隠すようにスカートをまっすぐに伸ばす。
「あ?! い、いや。そ、そんなつもりじゃないんだ」
 私の仕草で先生が自分でどこを見ていたのか分かったみたいだった。そして私がどう思っているのかを勝手に想像したんだと思う。恐らくは無意識だったのだろうけれど、男の先生だからその本意は先生自身にしか分からないだろうけれど、ただ間違いなくまだ何かを隠しているのは丸分かりだった。
「そ、それよりなんでそう思うんだ?」
 それを私に聞いてしまった時点で、もう自分で隠し事をしていると自白したも同じだよ先生。
 だから私は先生から話を聞き出そうと追い詰めるように少し頑張ってみる事にする。
「先生が初めにご自分で仰ったんですよ『部活をしていた者たちがいて』って」
「そ、それは同じ部活内で複数人いただけじゃないか?」
 先生は自分の言葉に気が付いていない。
「じゃあもう一つ『活動している他の部活“など”を知らないか?』ともお伺いされましたが一つしかないならどうして、部活名を複数形にする必要があったんですか?」
「一つを把握していて、他にあるかもしれないだろ?」
 先生の視線が泳ぐ。
「もしそれが本当なら、他にも部活をしているクラブは知らないか? では駄目だったんですか?」
 そして再び私の膝辺りに視線を固定しようとして、
「――っ」
 慌てて視線を外す……やっぱり癖なのかもしれない。
「部活動名をご存知の1個だけなら、その時点で複数形にする必要は無いと思うんですけれど」
 ……もちろんこんなのはただの揚げ足だし、先生が言い逃れられると、実祝さんより国語力の低い私では、隠し事をしていると分かっていても、この担任からこれ以上聞き出すのは難しかったと思う。
「……」
 でも、先生は難しい表情をしたまま私の質問に答えない。
 それは何よりの証拠とも気付かずに。だから私は女の武器を使わせてもらう。こっちも必死なのだ。
「先生? さっきの視線はセクハラですよ」
 私のその発言で、先生の表情が苦虫を噛み潰したどころか、そのまま飲み込んでしまったかのような表情に変わる。
「分かった。正直に言う。だからこの事は公にしないでくれよ? 他言は他の統括会メンバーにもしないでくれよ?」
 公にしないのはどの――いやどっちの事なのか。
 そのまましばらく先生の顔を見続けているとやはり後ろめたい事があるのか、さっきと同じように先生の方が根負けする。
「もちろんです。生徒同士の諍いを作る事は統括会の理念に反しますので」
 私は統括会のメンバーであくまで生徒の味方なのだ。
「……いや、そっちの事じゃなくてだな……」
 あぁ、もう一つの方かぁ。そっちは私も恥ずかしいから言うつもりはないけれど。
「で、部活名は何ですか?」
 敢えて先生の質問に答えるのを先送りにして先に先生の方の答えを聞く。
「今こっちで把握できているのは……園芸部と……サッカー部だよ」
 ただそこから出てきた名前は、最近よく聞く部活名だった。
「ありがとうございました」
 これだけ出し渋るサッカー部の名前。やっぱり戸塚君の事もあって特別扱いなのか。
 何度も言うけれど統括会は生徒全員が不自由なく、気持ちよく学生生活が送れるように活動するのが理念だから、特定の部活だけが特別扱いされることは余程の事情が無いと良しとはしない。部活名を聞いた後の先生を見て、これ以上の隠し事は無いと判断した私はお礼を言って
「ちょ、岡本の方は何か知らないのか?」
 立ち上がったところ、私からも情報を何か仕入れようとしたのだろうけれど
「今は試験の事で頭がいっぱいで、部活の事も先生に言われるまでは知りませんでした」
 例え知っていたとしても、学校側にばれる前に統括会側で何とかしてしまうんだけれどね。
「全く岡本と言い――倉――いい、女――わ」
 そんな私に何か言っていたけれど、声が小さかった上俯いていたから詳しくは聞き取れなかった。
「それでは失礼しました」
 だからそれ以上は下手な事は言わずに、頭を下げて職員室を出て実祝さんの待つ図書室へ向かう。


 図書室へ向かうと、いつもの場所で実祝さんが朝の単語帳を手にしているのが見える。
「もう先生の用事は済んだ?」
「うん。また統括会絡みだったけれど」
 こればかりは例え実祝さんでも蒼ちゃんでも口を軽くする事は出来ない。だれがどこで聞いているかもわからない上、今回は女の武器を使わせてもらったけれども、先生との信頼関係、それに統括会と学校側の関係の事もあるから。
「じゃあ一緒に今から勉強しよう」
 でも、実祝さん自身はさほど興味がないのか、そのまま下校時刻まで勉強をする。
「それじゃあ土曜日に向けて部屋を整理するから今日は先に帰る」
 下校チャイムが鳴るや否やすぐに実祝さんが後片付けを済ませて
「じゃあまた明日だね」
 図書室を出て行ってしまう。
 そこまで気合を入れなくても良いと思うんだけれどなぁ。まあでも友達が来るから部屋を綺麗にしようと言う気持ちは分からなくはない。そんな事を考えながら図書室の先生に声をかけて昇降口の所まで来たところで
「ごめん……ウチのせいで迷惑かけて」
「もうカナが悪いワケじゃないって。週末の雨でバラバラになった土を直してくれたんでしょ?」
 件の金髪の子が今日はまっすぐに下ろした自分の髪を撫でながら、もう一人のカナって子の背中をあやすように優しく撫でている。
 やっぱり見間違うわけがない。あの日私の事を隠すことなく敵意むき出しで睨みつけていた子で間違いない。
「ほんまユズちゃんは優しいなぁ。みんなユズちゃんみたいやったら良いのになぁ」
「何ゆってんの。優しいのはカナでしょ? わたしなんてあの雨でどうなってるかなんて全く考えもしてなかったんだから」
 そうかあの金髪の子ユズって言うのか。
 私はこの前の敵意むき出しの視線の事と雰囲気を思い出し、自然ユズって子に見つからないように物陰に隠れるように身を隠す。
「いい? もし今回の事で誰かがカナに文句ゆってきたら、すぐにわたしにゆう事。わたしが全部何とかするから」
 そう言ってユズって子がカナって子を、大切に生まれたての赤子を抱くように優しく慈しむようにすっぽりと腕の中に抱きかかえる。
「ほんまウチ、ユズちゃんと友達で良かった」
 そんなカナって子を抱きながら
「違うよ。わたしたちは友達じゃなくて親友。違う?」
 そう言って、ユズって子がカナって子の背中をあやすように、ぽんぽんと叩きながら訂正する。
「ほんまにありがとうな。ユズちゃん」
 ユズって子にカナって子がお礼を言って、
「じゃあ今日も一緒にかえるわよ」
 私に相対する時とは全く別の声色・雰囲気をまとって、でもそれはやっぱり同じ人物で……そんな二人が私に気付くことなく帰るのを見送ってから、私も帰路についた。


―――――――――――――――――次回予告―――――――――――――――――

           「蒼ちゃんちょっと時間ある?」
          ようやく蒼ちゃんと会話出来た愛ちゃん
       「本当、ここ一番での愛ちゃんの行動力ってすごいよね」
              蒼ちゃんとの会話
          「ちょっと人と会ってただけだよ」
        ほんの少しのニアンスが、更なるズレを産む

           「ちょっと愛美さん聞いた?」
          統括会も知らない間に話が動く……

      24話 気づかれたくない視点<言いたい事、言えない事>
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