第20話 ずれ行く視線<長い金曜日(後)>
文字数 8,271文字
私が役員室へ着いた時、珍しく議長の子以外が全員揃っていた。今朝の事もあってか空気が心なしか重い。
「すみません。遅れました」
しばらくして遅れたと言っても、各教室や学校の事情だからしょうがないとは思うけれど、どこまでもきっちりしている議長の子は頭を下げて、役員室へ入ってくる。
「では、今週も始めようか」
当然そんな議長を責めるような事は無く、会長の音頭によって統括会が始まる。
「今週1週間生徒たちのチェックをして、皆さんどうでしたか?」
根がまじめなのも助けてか、議長の子が進行を務める。
「正直学校側から要望がある程の子がいたとも思えないし、これホントにやる意味あった?」
すかさず総務の子が私の考えと同じような意見を述べる。
「確かに学校側が要望を出すほどの生徒がいるようには見受けられなかったな」
それに続く形で会長も総務の子に賛意を述べる。
私も基本的には賛成なのだけれど、朝の服装チェックの時には一度も見かける事は無く、でも放課後にはあの左右に髪を結わえたりロングの髪を下ろしたりしている金髪の子が確かにいた。
1週間探し続けてって言うほどでもないけれど、見かけたのは2回だけなのだ。
「岡――『岡本先輩は何かないんですか?』――」
考え込んでいた私に空木君が声をかけようとしてくれた所で、珍しく議長の子が副会長の言葉にかぶせて、私に水を向ける。ただし、その表情と声は堅い。
「私も学校側が言うほどの意味は無かったと思う。統括会に協力的な子もいたし」
「岡本先輩まじめに考えてください。これだけ細かいかもしれませんが指摘があって
統括会に協力的って……あと何か思うところがあるから、朝も含めて時々考え込んでるんじゃないんですか?」
私の答えに不満だったんだろう。私に対して露骨に
「またそうやって考え込んで秘密ですか?」
朝の事もあってか、私に対する言葉は辛らつだ。
「その件は僕も悪かったから、岡本さんだけを責めるのは違うよ」
私が尚どうしようかと迷っていると、空木君も責任を感じているのか、私と議長の子の間に入って、間を取り持とうとする。
「まあまあ俺たちだって今回の学校側の意図がつかめてないんだから、少し落ち着こう」
そんな空気を払拭する様に、会長が声を上げる。
「ですが会長。これじゃあワタシだけが悪者じゃないですか! ワタシだけが悪者扱いって納得できません」
会長がなだめるも、議長の子の不満は止まらない。
「大体会長だって甘いんじゃないですか? カバンにアクセサリを付けている生徒も
たくさんいたじゃないですか」
「それを言ったら、雪野さんも空木もつけてるよな?」
「それでも限度ってモノがあると思います」
だいぶ議長の頭に血が上っていると思う。私たちも初めからきっちりした子だって分かっていたのだから、具体的なガイドを作るべきだったかもしれない。もちろん、言われてすぐだったから、きっちりした物は作れなかったとは思うけれど、それでも、今の議長の様子を見ていると、そう思えて仕方がない。
「雪野がまじめに取り組んでくれているのは分かってる。このメンバーの中で雪野を悪者にしてる人は一人もいないのは分かるな」
「……はい」
会長が議長の子にひとつずつ説明するのに対して、俯き加減で返事をする議長。
「じゃあ後は一つだけ。俺たち統括会はあくまで生徒の味方であって、基本は生徒を守る立場でないといけない。もちろん場合によっては生徒側からも学校側からも煙たがられることもあると思う。だから俺たち5人は何があっても協力しないといけない。統括会メンバーならわかるよな?」
「……」
会長の言葉に頷けない議長の中で、葛藤があるのが見て取れる。
「じゃあ会長。その協力しないといけない統括会メンバーの中でどうして知らされていない事があるんですか?」
当然その言葉はこっちに来るわけで。
「本当にごめんなさい。会議中に期限の事に気が付かなくて、勝手に決めた上に連絡が抜けた」
議長の言う事はもっともな事でもある。いくら件の女子生徒が気になっていたとしても、協力しないといけない私たち先輩が足並みを乱してどうするのか。
「さっきも言ったけど、岡本さんだけが悪いんじゃない。僕も月曜日に連絡しなかったから」
2人で決めた事だからと議長に対して空木君も謝る。
「やめてください。これじゃあ誰が見たって私だけが悪者じゃないですかっ」
雪野さんの目に涙が浮かぶ。
「はいはい。冬ちゃんの事誰も悪者なんて言って無いでしょ」
そう言って総務の子が会長の横から、議長の横へ席を移動する。
「……すみません。今日は上がらせてもらいます」
それだけを言って、総務の子の横を通り抜けて行ってしまう。
私たちが原因だから、この重たい空気に責任を感じていると、
「あー冬ちゃんにはアタシからうまく言っとくんで、お二人はそこまで気にしなくて良いですよ」
総務の子が場の空気を軽くなるように声をかける。そんな総務の子に
「まあ結果としては、学校側の意図が分からないので何とも言えないけど、ここにいる4人は今回の服装チェックは必要だったとは言えない。でも雪野さんの言う通り細かい指摘もそれなりにあった。これで良いかな?」
意見をまとめてくれる。
「じゃあ学校側に報告に行ってくる。その時に今回の意図を聞くことが出来れば聞いてみるようにする。今日はもう雪野も帰ったから、このまま解散で良いぞ?」
私たち二人も同意を示すと、
「あっと、今回みたいな事が無いようにみんなで連絡先だけ交換しておきましょう」
出がけに総務の子が提案してきてくれたから、一旦4人で連絡先の交換をしてしまう。
「この連絡先、冬ちゃんに教えても良いですか?」
もちろん良いに決まってる。総務の子の提案を断る理由がない。
「じゃあアタシもこのまま帰りますんで、ここの戸締りをお願いします」
そうして2人は学校側へ説明に行った。
役員室に残った私たちは、どちらともなく帰るのではなく席に着く。
「えと……飲み物でも入れようか?」
「いや今日は僕が入れるよ」
そう言って空木君が慣れた手つきで、用意を済ませていく。
「空木君って慣れているみたいだけれど、家でも台所立ったりするの?」
「料理は得意だよ」
「「……」」
会話が続かない。でもそれは不思議と気まずくはない。それは多分……多分なんだろう。
「岡本さんは優しいね」
「え?!」
考え事している時に、突然の優しい発言。
「本当は言い忘れたのは僕の方なんだから、岡本さんが矢面に立つ必要なかったのに」
「統括会メンバー誰かだけのせいって事は無いよ。だから私は気にしてないから、空木君も気にしないでね」
「ありがとう、岡本さん」
何かなとは思ったけれど、空木君は私が議長からきつく当たられたのは空木君が原因と思ってるみたいだけれど、それだけが理由じゃ無い事を私は何となく気付いているから私の口からは言えない。これこそ当人たちの問題なのだから。
「そう言えば、今週の火曜日くらいからずっと何か気になってる?」
議長の雪野さんと副会長の空木君の事を考えていると、今週頭から気になっている事を聞かれる。さっきまでは議長の子がいたから言えなかったけれど、今ならどうなんだろうか。さっきの今で、空木君だけに話しても良いのか少し迷う。
そんな私の迷いをどう見たのか、
「先週岡本さん、自分の意見も言うようにするって言ってなかった? 僕は岡本さんの意見も聞きたいと思うよ」
先週の事を話題にあげる。それを言われると私は
「まぁ、そうなんだけれどね」
そう答えるしかない。
「……」
空木君は私が話すのを疑いもなく待っているっぽいから、仕方なく話すことにする。
月曜日の放課後に左右に髪を結わえたスカートの短い金髪の子がいたけれど、この一週間登校の時の服装チェックの時には一度も姿を見ていない事、確かに朝は見ていないのに放課後には二回見ている事。しかも校則違反はしているけれど、とても礼儀正しくて姿勢も綺麗であると言う事。などあらかたの事を話してしまう。
「多分この学校はあの生徒をどうにかして欲しいんだと思うけれど、この話を議長の前でするのはね」
本来なら、今日の今日でこんな事言うなんて先輩としては駄目だと思う。
でも、どうもあのちぐはぐさ、あれだけ校則も関係なく着崩して問題の生徒のように見えて、空木君にも言わなかった、あの“カナ”って生徒を気遣うあの表情。そして保健室の先生に向けたであろう礼儀正しい言葉と動作、あれを見てしまっているから、議長に言ってしまうのは気が引けてしまうのだ。
ただし、総務の子からも議長の子からも金髪の子らしき話題も出ないから、確かに上靴は二年のだとは思うけれど、確定できていない学年の事と、あの“カナ”って子の事は言わずにおく。
ただ一番分からなかったのは、この話をした時に空木君が本当に嬉しそうに
「岡本さんって本当に優しいね。ありがとう」
私に
はにかんだ
事だった。その空木君の表情に見とれて――「そ、そう言えば空木君も何か言いかけてたよね」
――頭を切り替えるために、空木君の意見も拾おうと思いなおす。
「ああ、あの時は岡本さんの意見を聞こうと思っただけだよ」
そう言ったあと“まあ雪野さんが聞いてくれたんだけどね”と付け足す。
「そう言えば、あの時空木君も何も意見言ってないよね?」
私としてはあくまで普通に聞いたつもりだったのだけれど、空木君は少しびっくりしたようで
「僕が意見出してないってよく気が付いたね。ちょっとびっくりした」
私は書記と言う事もあって聞いただけなのだけれど、普通に驚いていた。
まあかくいう私も、議事録を見るまではあんまり気にしていなかったのだけれど、一度それが普通になると、気になってくるものだと思う。
「僕は生徒一人ひとりと触れ合う機会なんてそんなに無いと思うから、そう言う意味では内容はどうあれ、あれはあれで良かったと思うよ」
空木君の話を聞いて、私は目からうろこが落ちたような感覚を覚える。
私は今日までそう言った考え方をしたことがなかった。議長と同じで、校則違反に対して意味があったか、無かったか、あくまで目的である“服装”だけに視点が行っていた。同時に私は自分が校則や目的の事にしか目が行ってなかったことに、急に恥ずかしくなる。これじゃあ議長の事を頭が固いなんて言えない。
「空木君天才?」
あぁっ……私は何を口走っているのか。
「岡本さんって……時々天然だよね」
「……」
変なところで溜めるのはやめて欲しい。恥ずかしい。穴があったら入りたい。
空木君は本当に少人数だと口数が増える。それにからかっても来る。咲夜さんはクールイケメンなんて言ってたけれど、とんでもない。とっても気さくなんだってば。
咲夜さんと言えば、昼間の“癒しの副会長と聖女の書記”発言を思い出す。
なんてことを咲夜さんは言ってくれたのか、そしてどうして私は今それを思い出すのか。さっきまで議長の事を考えていたはずなのに、顔は熱くなっていくばかりだよ。
そんな私の気持ちはわからなくても、顔が真っ赤なのは隠せていないはずなのに、
「さてと、そしたら僕らも帰ろうか。雨も降り始めたし」
涼しい顔で帰ろうと促してくる空木君。
この余裕がちょっと腹立つ……やっぱりクールなのか。
そんな事を思いながら空木君につられるように、外を見て雨が降って……薄暗い。
「ああっ?!」
続けての今日の失態だった。
慶のごはんとお母さんがいない事も思い出して、上げた声は当然空木君の耳に入らないわけはなく、
「あっ! い、今のなし、今のなし!」
「岡本さんって、みんなといる時と全然印象違うよね。なんて言うか面白い」
私の意見も訴えもむなしく、面白いかぁ……
でもね空木君。あなたも統括会の会議の時とは全然性格違うんだよ。
口数も違うんだよ。
「まあ僕としても今の岡本さんの方が喋り易くて良いと思うけれどね」
熱い顔が冷めないまま戸締りと後片付けをしようとした所で
「ああっ?! って言うほどの用事を思い出したなら、後はこっちでやっておくから良いよ」
私を恥ずかしがらせて嬉しいのか。親切か、からかうかのどちらかにして欲しい。
空木君がこんな気さくだとはつくづく思いもしなかったよ。
「じゃあ今日はこれで帰るね。今日の事は絶対に言わないでね」
恥ずかしい。
「分かったよ。じゃあまた来週に」
私は顔の熱も冷めないまま、空木君に見送られる形で、役員室を出た。
昇降口で靴に履き替え、傘をカバンから出した所で背後から視線を感じたから振り返ると
「……」
私が頭の中で考え続けていた金髪の子が髪の毛を梳くように触りながら、目で人を射殺せるかと言うくらい敵意をむき出しにして
「……え?」
私を睨みつけている。
あまりにもの迫力に、広い昇降口の空間で金髪の子と10メートル近く
「アンタ岡本?」
誰もいない昇降口に外は雨が降っているにもかかわらず、透き通るような綺麗な声に全く似つかわしくない言葉がはっきりと私の耳朶に届く。
私の返事を期待していなかったのか、私を確信しているようで
「おいビッチ。これ以上近づくなよ」
それだけを言い残して、廊下の奥の方へと踵を返して行ってしまう。
確かに同じ子で間違いないとは思うけれど、あの保健室での礼儀正しさとは全く別人としか思えない。
そんな金髪の子とのやり取りでいつの間にか、顔の熱も冷めていた。
統括会でのトラブルなんかもあって、少し遅めの帰宅の後、夕食の準備を済ませても慶は今日もまだ帰って来てない。しばらく待ってはみたけれども、時刻はもう夜と言っても差し支えの無い時間になっても、まだ帰ってくる気配もない。雨も本降りになって傘を持って迎えに行こうにも、慶がどこにいるのかもわからない上、家族と電話なんて恥ずかしくて出来るか。とか言って、電話が繋がった
仕方がないからと、今日の統括会でのことを今、まとめる事にする。
何となくではあるのだけれど、いや正直に言って議長の子が腹を立てている理由は分からなくは無いのだ。
もちろんメンバーの中で二人で勝手に決めて、連絡もしないで先輩である私たちが足並みを乱したことが許せないと言うのもあるとは思う。
でも本質はそこではなく、議長――いや、雪野さんは空木君の事が好きなんだと思う。だから好きな人から声をかけられなかった。更に別の女の子と一緒に二人っきりで話をしてしまった。これが決め手だって私は思ってる。
でも空木君の性格からして、今日みたいに議長の子が言葉をかぶせてしまうと、空木君は基本喋らなくなってしまう。
多分だけれど、他の人に発言の機会と時間を与えてしまうんだと思う。2人だけの時間の発言を除けば、空木君の発言は一回しかない。
こうやって議事録を見てもその傾向は明らかなのだ。
だから、私は書記としてこれからも空木君の意見を拾うために2人の時間をうまく作って、話し合いは続けようと思う。
もちろん雪野さんの気持ちはわかる。でも本当に好きになった相手なら相手の事も思いやるべきだと私は思う。頭に来るのは分かるけれど、それを空木君に当たるのは違うと思う。私に当たる分にはまだいいと思うけれど、空木君に当たっても雪野さんに対する印象が良くなるとは思えないのだ。
「ただいま」
タイミングよくまとまったところで、慶がやっと帰って来る。
「慶! 今何時だと――それは後で良いから先にお風呂入っといで」
文句の一つでも言おうと思って玄関まで行ったところで、びしょ濡れになった慶が立っていたから、先にお風呂に入るように言う。
「で? 何でこんなに遅いのよ?」
時間も時間だったし、私もお風呂を失礼してから、かなり遅めの夕食の時に聞く。
「だから友達との付き合いも大事だって言ってるだろ」
こんな時間まで友達とって
「慶も、もうすぐ中間試験じゃないの?」
「勉強もしてるって」
「前にも言ったけれど、付き合う友だちもちゃんと考えなさいよ」
「友達と勉強もしてるんだよ」
私の質問にバレバレの嘘をつく。
本当、今日お母さんがいつも通りに帰って来ていたらどうするつもりだったのか。
「蒼ちゃんとの勉強どうすんの? 蒼ちゃんにこんな時間までいてもらわないからね」
女の子一人をこんな遅い時間に歩かせられない。それに蒼ちゃんの家のご両親もご飯を作って蒼ちゃんの帰りを待ってるはずだから。
「その日は早く帰るようにするから、分かったら教えてくれよな」
「慶、勉強しとかないとホントに蒼ちゃんの前で恥かくよ?」
調子の良い事だけを言う慶に、もう一度念を押す。
そんな私の年に鬱陶しそうに返事をした後、ご飯もそこそこに自分の部屋へと向かうのを見届けてから、私も明日の準備をして中間対策のために机に向かう。
しばらく机に向かっていると、例の戸塚君の件なのか、蒼ちゃんから携帯に着信が入る。
『愛ちゃんこんな遅くにごめんね』
『ううん明日休みだし大丈夫だよ』
そう言えば明日は土曜日だから活動日だ。基本雨でも午前中の活動だけはやっている。午後からのは無さそうではあるけれど。後で朱先輩に明日参加する旨を連絡しておかないといけない。
『……』
『戸塚君の事だよね。ゆっくりで良いから落ち着いたら話して』
『戸塚君と付き合うことになった』
本当ならおめでとうって言いたかったけれど、どうも電話口の空気が重い。
『ひょっとして無理やり?』
『無理やりって言うか、押し切られた』
『それって無理やりなんじゃ?』
『それもあるけれど、男との人と付き合ったことないから、色々解らなくて』
怖がりな蒼ちゃんならそうかも知れない。
それに押し切られたって
『あの友達からって言うのは?』
不安ならそれも案の中にはあったはずだと思うけれど
『それも合わせて根負けした』
始めに一度逃げてもいるから、その手も使えなかったって言う。
『蒼ちゃんが不安なら無理に付き合う事無いと思う』
こういうのもお互いが納得できてこそだと思う。
もちろん私も男の人とはお付き合いをしたことが無いから、確かな事は言えないけれど、お付き合いするって事は幸せで楽しい事もあれば喧嘩して悲しい事もあると思う。
『ううん。付き合い始めたばかりだから蒼依の方も戸塚君の事、好きになってみる』
でも、蒼ちゃんの中にある不安と言うのは何かがおかしい気がする。
それに人を好きなるって言うは努力が必要なのか、気が付けば自然と好きになってるものじゃないのか。
『うん分かったけれど、何かあったら何でも、いつでも良いから連絡頂戴ね』
恋愛経験のない私には、その判断がつかなかった。
『蒼ちゃん幸せにならないとね。それと私たちは友だちだよ』
女は友情より男だって言う人もいるって聞いたことがあるけれど、私はやっぱり友達は友だちで大切にしていきたい。そこを理解してくれる男の人が良い。
『うん。ありがとうね愛ちゃん』
結局蒼ちゃんの不安を取りぞけないまま、来週の中間対策の話もできないまま
『うんじゃあまた月曜日、話聞かせてね』
通話を終了させてしまう。
その後、時間も時間だったので朱先輩に明日も参加する旨のメッセージを送って、
明日着る服だけを用意してそのままベッドに横になってそのまま私はまどろみの中に身をゆだねた。
―――――――――――――――――次回予告―――――――――――――――――
「愛さん久しぶりなんだよ」
週末にだけ会う朱先輩との課外活動
「愛さん今一人でしようって思ってたよね?」
鋭く指摘を入れる朱先輩
「愛さん家か学校で何かあったんだよね」
真剣な表情で愛さんを見る朱先輩
「そんな愛美にわたしたちから感謝の気持ち」
母からの感謝の気持ちに愛さんは……
次回 21話 見守る視点 <安心できる場所>