誰？（２０２４．３．１４）

挨拶された
が　誰だか分からず
ずっと考えている

誰だ？
誰だろう？
誰だったのだろう？

靄の中を
当てもなく
歩き続ける記憶の危うさに
躓きそうになる

でも
何だか
楽しい

目隠しされて
西瓜割した
少年の頃を思い出す

どこだ？
どこだろう？
どこにあるのだろう？

どんどん
楽しくなる

誰だか分からないのに
僕も頭を下げた

もしかしたら
人違い
なのかもしれないのに

見知らぬ者同士が
挨拶を交わす

そして
誰だか分からないまま
頭を下げた男は
ひとり記憶に遊ぶ

頭上を
鳴きながら
烏が飛んでいく

また
会えるといいな

次は
いつぞやは
と挨拶できるから