冷たく静かな人(2024.3.28)

文字数 255文字

いつも冷たく静かでいるのは
自分を抜け出し
自分を出さずに
息を潜めているから

家に帰っても
変わることはない

風呂場で
脱衣し
脱力するときだけ
自分を取り戻す

だからといって
息苦しいとは思わない

慣れてしまえば
無駄に熱量を使わないから
疲れずに済む

ベッドに横たわっても
冷たく静かでいると
すんなりと眠れる

だが
夢の中で
思い切り
心が暴れる

日頃の鬱憤が
一気に吐き出され
冷たく静かでいるなんて
クソくらえと嘲笑う

彼は
夢の中では
ありのままだ

夢で
暴れなくなったら
バランスを崩すかもしれない

いつも冷たく静かでいる
彼は案外と自身のことを
分かっていない
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