第43話
文字数 873文字
奴が近づいてくる!
「お前の名は確か弥勒と言ったな。よく覚えているぞ、この前の借りを返そう! 弥勒、いいか、俺はこの世を第六天の色に染めるまでは決してやられたりなどはしない!」
「……」
「何も話すことはないと言うのか……」
「まあよい……弥勒よ。お前は千佳という娘が気になっている様だが、千佳という娘はどこにもいない。ただの夢の中の存在なのだということを忘れてはいないか?」
「……」
「なるほど、思考を辞めたか」
するとパーピマンは態度を変える。
「お前……」
「遠い未来から転生して来たのか」
……バレたか。
「お前には関係がない、何も話すことはない」
さて、どうするか。
「……ただの仏道修行者ではないと睨んでいたが、なるほどな。仏天の奴らの仕業か。面白い、ここはお前のことを試すとしよう」
何を狙っている? 僕は冷静なフリをし続ける。
「何も話すことはないと言ったはずだ」
「ふむ……しかしな、お前は仏陀や観音様とやらを慕ってはいるな、その信心は大したものだ」
「……」
「お前の信心というものは、一体どの様なものなのだ? 極楽浄土に行きたいが為か? それとも、ただ純粋に信仰から来ているものなのか?」
「お前は何の為に仏教をやっている?」
「それは……」
「僕も仏陀の様にいつか悟りに至りたいからだ」
するとパーピマンはその答えを予想していたかの様に答えた。
「しかし、お前は悟りに至る為の実を持っているのか?」
「それはまだ分からない、ただ仏念して精進を続けてさえいれば、誰でもいつかは悟れる……僕はそう思っている」
「では、これが最後の問いだ」
来るが良い、パーピマン。
「お前は仏陀のことを尊敬しているか?」
……。
「あたりまえだ……僕がまだ小さい頃から夢の中で世話をしてくれた、見えない父の様な存在だ。こんな僕に慈悲を掛けてくれたんだ。尊敬しない理由が他にどこにある……?」
「なるほどな……弥勒菩薩、ではいつかそれが実現することを楽しみにしているぞ」
……そうしてパーピマンは去っていった。
いつかそんなお前を見て悟ろうとする奴らが増えることを影ながら祈っているよ。
「お前の名は確か弥勒と言ったな。よく覚えているぞ、この前の借りを返そう! 弥勒、いいか、俺はこの世を第六天の色に染めるまでは決してやられたりなどはしない!」
「……」
「何も話すことはないと言うのか……」
「まあよい……弥勒よ。お前は千佳という娘が気になっている様だが、千佳という娘はどこにもいない。ただの夢の中の存在なのだということを忘れてはいないか?」
「……」
「なるほど、思考を辞めたか」
するとパーピマンは態度を変える。
「お前……」
「遠い未来から転生して来たのか」
……バレたか。
「お前には関係がない、何も話すことはない」
さて、どうするか。
「……ただの仏道修行者ではないと睨んでいたが、なるほどな。仏天の奴らの仕業か。面白い、ここはお前のことを試すとしよう」
何を狙っている? 僕は冷静なフリをし続ける。
「何も話すことはないと言ったはずだ」
「ふむ……しかしな、お前は仏陀や観音様とやらを慕ってはいるな、その信心は大したものだ」
「……」
「お前の信心というものは、一体どの様なものなのだ? 極楽浄土に行きたいが為か? それとも、ただ純粋に信仰から来ているものなのか?」
「お前は何の為に仏教をやっている?」
「それは……」
「僕も仏陀の様にいつか悟りに至りたいからだ」
するとパーピマンはその答えを予想していたかの様に答えた。
「しかし、お前は悟りに至る為の実を持っているのか?」
「それはまだ分からない、ただ仏念して精進を続けてさえいれば、誰でもいつかは悟れる……僕はそう思っている」
「では、これが最後の問いだ」
来るが良い、パーピマン。
「お前は仏陀のことを尊敬しているか?」
……。
「あたりまえだ……僕がまだ小さい頃から夢の中で世話をしてくれた、見えない父の様な存在だ。こんな僕に慈悲を掛けてくれたんだ。尊敬しない理由が他にどこにある……?」
「なるほどな……弥勒菩薩、ではいつかそれが実現することを楽しみにしているぞ」
……そうしてパーピマンは去っていった。
いつかそんなお前を見て悟ろうとする奴らが増えることを影ながら祈っているよ。