外伝@なによこれ。なんだよこれ。なんだねこれわ。

文字数 1,738文字

──これは、ほんの些細な可能性のお話……。
どぅあ!? な、なんだこれは!!
……なによ。朝から喧しいわね、長門君。今、朝の六時三十分よ?「りある」
おまっ!! よく落ち着いていられるな!? 良く俺を見てみろよ! 容姿がまったく違いすぎるだろ!!
長門、長門雄大は自分の図太い両腕を己が瞳に写す。そして、素晴らしい程に頬に付いた付いた贅肉を揺らしながら優縁に訴えかける。しかし、その焦っているような表情を浮かべる雄大を見ても尚、しかめっ面を決め込んでいた
──何も、変な所なんかないじゃない。いつも通り醜いだけよ??
急に声を荒らげるからビックリしたわよ
──おい……
なんか言いたげね? 何かしら。良いわ、聞いてあげるわよ。やれやれ、本当に仕方が無いわね。時間が無いけれど……仕方ないわ。他ならぬ長門君の事だものね? いいわ、いってち
どんだけ、恩着せがましいんだよ……
あらあら、やだわ。なに? その私の優しさを否定する。私に対しての侮辱……。死ねばいいのにっ
……あのっ……早く台本を……
「こいっつ、相変わらず口が達者だな。人と距離をとる達人かよ」
あのっ!!
うわっ!! 今、何か声がしなかったか??
いいえ? してないわよ。牛でも鳴いたんじゃないかしら。と言うか、牛の鳴き声に一々反応するとか? 長門君、お人好しすぎよ。
──お前、ちょっと、なんか怒ってるだろ
ん? 全然怒ってないわよ??
嘘つくな。目がまったくわらってねぇーよ。むしろ、殺気を感じざるをえねーよ! こ
全然ッ!!
だよな? 蒼葉は、見た目はちょっと幼い感じだけど。俺に比べたら、いい方だもんな??
怒る理由ねーよな! あはははは
チッ
──ん?
あの、そろそろ台本を読んでいただかないと。話が進まないし、描写もで
うるさい。使えない作者は黙ってて頂けるかしら? 寧ろ黙ることすら神に赦しを乞うて貰っていいかしら??
「──ひぃ……ここでもなのか……」
んー、ともあれ、この先どうしたものか……
なんじゃこりゃぁぁぁぁぁあ!!!!
どぅあ?! 知らないおばさんが出て来た!!
長門君……。声で分からない? 本当に死ぬわよ?? なーむー
おい、長門雄大。どうやら、死にたいらしいな? 怒りの鉄槌!!
なーむー
グハッ……!! そ、それに、なーむーじゃね、ねぇよ!!
長門雄大。お前、本当に私が分からないのか??
……あれ……その声は……
志紀先生!!
やっと分かったか……まったく。
なんだねこれは。私はこんな老
けちゃいましたね! あははは。志紀先生っ
ほほう。どうやら、本当に逝きたいんだな?
“ポキポキ”
だぁぁあ!! 嘘です冗談ですよ!! 怒りの鉄槌はやめてくださいっ!!
にしても、誰だね。こんな悪意に満ちた事をやる輩は……
そんなの、やるのは一人しか居ませんよ?? ほら、あそこに隠れてる人……
ぁぁぁあぁぁあいつかぁぁあ!!
ひぃ……!!
まてこらぁぁあ!! てめぇぜってぇーゆるさねー!!
──おいおい。先生がそんなはしたない言葉使っていいのかよ……
いいんじゃないかしら? この話は、並行世界での可能性を話す事だったらしいしっ
お前、何気に台本読んでるのな? なら最初からちゃんとしてやれよな……
ぐぎゃぁぁあ!! すいませんすいません!! これ以上わがぁぁあ
はぁあ!? なんてぇ!? きこえねーなぁあ! らぁあ!!
いや、なんかすげー事になってるな……
言う事を聞くわけないじゃない。私はもっと、容姿端麗よ? あっているのはポニーテールだけじゃない
あの断末魔を聞いて尚、冷静でいられるとか、お前どんだけだよ……
って!! むっちゃ、気にしてるじゃねーか!!
ふう、いい感じいい感じ
──志紀先生、清々しい顔してても拳は真っ赤ですよ
転んじゃった……てへっ
誤魔化せるわけないだろ! と言うかテヘじゃねぇよ!
あの、私そろそろ飽きたんですけど
ぁあ……まあ、確かにな……。俺達にはまだ、話があるし……
話とはなんだ? ん? 告白か? ん?
違います。でわ、なによこれ……
なんじゃこりゃ!
なんだねこれは。
でしたっ
したあー
でしたっ!!
──と言うか。志紀先生……また……
はっ!? くそっ!! ぶっころしてやる!! まてこらぁあ!!
やれやれ。本当に元気ね……喧しい。では、そろそろ病院に行かなきゃいけないわね……
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