保険
文字数 1,068文字
生命保険詐欺も人気の職業だ。一般には結婚詐欺のほうが派手なぶん有名だが、相手が若いので訴えられる可能性が十分ある。しかし、保険詐欺の多くが老人相手だし、何と言っても死人に口無し。しかも、一度支払われれば、保険会社が再調査することもまずない。
誰かが、保険を賭けて殺そうとしている?そんなんことが可能なのは父ぐらいだ。どこにいるかわからないが、なんせ泥棒。死んだと見せかけて受け取るぐらいのことは赤子の手をひねるようなものだろう。
「周り中、怪しいやつだらけだ。しかし、現実に殺そうというやつがわざわざネットに書き込むかな?」
そう考えると、ネットで公開処刑のようなことが一番現実的に思える。
「ぼくの正体をさらすか。だか、40年も前からいるガイマイが子供といったところで世間が信じるとも思えない。だから、あえて父の四世という名を使っているのだ。」
何にしても、情報が足りない。近いうちということは、まだ色々と仕掛けてくるだろう。家にもどったが、まだ落書きなどの直接的ないやがらせは起きていない。書き込みを見た人間も、理由の書かれていないものに共感も反発もできまい。
「至急確認したいことがありますので、ご連絡を。」
いくつもの留守電が入っていた。保険屋だ。何かはわからないが、保護者として執事の黒岩が対応する。
「かんぽの者なんですけど。不誠実な対応がなかったか確認しています。本人確認のため、証書番号と口座番号を言っていただけますか。」
どうみても、かんぽ詐欺だ。もともと詐欺まがいのやつらの上前をはねようなんて、どこまで卑劣なやつなんだ。
「こちらお客様番号×××××××××ですが、どのようなご用件でしょうか?」
「お客様の保険のご契約内容の確認です。保険会社名、証券番号、口座番号を言っていただけますか?」
「先ほどお客様番号を申し上げましたのでそれで、十分だと思いますが。で、どのようなご用件でしょう?」
「ツーツー。」
電話は切れた。
「どうやら、保険屋をかたる詐欺のようですね。」
郵便物は全てシュレッダーを通して廃棄しているので、客番号が漏れることはない。郵便受けも一般家庭と違い、敷地内に入っていかないと配達できない。外部の人間がおいそれと盗み見ることもない。保険といっても多数の会社に内容もまちまち。こちらからの電話番号は非通知だし、相手がわからなければ話のとっかかりがつかめまい。
「やがり、誰かが僕の保険を細工しようとしているのだろうか?」
なぞは深まるばかりだ。
誰かが、保険を賭けて殺そうとしている?そんなんことが可能なのは父ぐらいだ。どこにいるかわからないが、なんせ泥棒。死んだと見せかけて受け取るぐらいのことは赤子の手をひねるようなものだろう。
「周り中、怪しいやつだらけだ。しかし、現実に殺そうというやつがわざわざネットに書き込むかな?」
そう考えると、ネットで公開処刑のようなことが一番現実的に思える。
「ぼくの正体をさらすか。だか、40年も前からいるガイマイが子供といったところで世間が信じるとも思えない。だから、あえて父の四世という名を使っているのだ。」
何にしても、情報が足りない。近いうちということは、まだ色々と仕掛けてくるだろう。家にもどったが、まだ落書きなどの直接的ないやがらせは起きていない。書き込みを見た人間も、理由の書かれていないものに共感も反発もできまい。
「至急確認したいことがありますので、ご連絡を。」
いくつもの留守電が入っていた。保険屋だ。何かはわからないが、保護者として執事の黒岩が対応する。
「かんぽの者なんですけど。不誠実な対応がなかったか確認しています。本人確認のため、証書番号と口座番号を言っていただけますか。」
どうみても、かんぽ詐欺だ。もともと詐欺まがいのやつらの上前をはねようなんて、どこまで卑劣なやつなんだ。
「こちらお客様番号×××××××××ですが、どのようなご用件でしょうか?」
「お客様の保険のご契約内容の確認です。保険会社名、証券番号、口座番号を言っていただけますか?」
「先ほどお客様番号を申し上げましたのでそれで、十分だと思いますが。で、どのようなご用件でしょう?」
「ツーツー。」
電話は切れた。
「どうやら、保険屋をかたる詐欺のようですね。」
郵便物は全てシュレッダーを通して廃棄しているので、客番号が漏れることはない。郵便受けも一般家庭と違い、敷地内に入っていかないと配達できない。外部の人間がおいそれと盗み見ることもない。保険といっても多数の会社に内容もまちまち。こちらからの電話番号は非通知だし、相手がわからなければ話のとっかかりがつかめまい。
「やがり、誰かが僕の保険を細工しようとしているのだろうか?」
なぞは深まるばかりだ。