第十七話

文字数 120文字

風が騒めいている
夕暮れが泣いている

予定調和の毎日に
一瞬、乱れが生じる

ふとした静寂(しじま)
終わりの予感が凛と立つ

寂しくなった私は
ポケットの奥にしまい込んだ
ひとつかみの空虚さを握り締め

私の上着の裾を引く
少し成長した自分の影に話しかける

「秋が来たんだ」

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