第１話　ハイド調査団

ここは、幻影の塔...
作られてから少なくとも1000年は立っているという最古の塔。
そこに、ハイドは現れた。
「ここが幻影の塔か...」
中を見渡し、内装の崩れがないかを確認して、ハイドは思った。
「建設当時の状態が保たれている、これはいい勉強になりそうだな。」
そして塔の中に足を1歩踏み入れた途端、
「ガシャン...」
唐突に大きな足音のような音が聞こえ、ハイドは警戒した。
すると、奥からゴーレムのような大きな魔物が現れた。
魔物はハイドに近づき、聞き取りづらい小さな声でこうささやきかけた。
「オ...レ、コノ...トウノモ...ンバ...ン。シン...ニュウ...シャハッ...ケン...、タダ...チニハ...イジョ...スル...。」
ハイドは戦いの経験の上で冷静に対処しようとした。
バッグから睡眠薬を取り出し、魔物に浴びせた。
しかし魔物はあくびすらせず、
「オ...レ、ネムラ...ナイ...。」
と言いながらさらにこちらへ近寄ってきた。
ハイドは徐々に焦り始め、ちょっとずつ後ろへ下がる。
武器も短刀しか持っていなかったため、対処しかねた。
もう限界と言うところまで後退したところで、バン。
ハイドはそこで息を引き取ってしまった。