第12話 岩場の遺跡

文字数 660文字

遺跡とはいってもそれほど広くはなく、5分もせずに一周できるほどだった。
「特に何もなさそうだ。体力が回復したらサイハテ砂漠に戻る方法を探そう」
ショウはこの遺跡について特に何も思っていなかった。
遺跡で1泊し、体力が全回復したショウは、再び歩き始めることにした。
でも、実はこの遺跡は「岩場の遺跡」と呼ばれる歴史ある遺跡で、かのエバラインのような魔物が出るかもしれないといううわさもあった。
ショウはこのことを知らずに遺跡を後にしてしまった。
またあの長ーい洞窟に入って、何十分も迷い続けないといけないと気が重い。
懐中電灯の電池も相変わらず切れたまま。
あの光る小さい魔物もいなくなってしまった。
ショウは自分の勘だけを頼りに出口を探した。
結果からいうと、一応サイハテ砂漠に戻ることはできた。
その後、ショウは村に戻って休息をとることにした。

ショウは、村の図書館で岩場の遺跡のことを知った時にはたいそう驚いた。
なんでも、あそこには歴史があるだけではなく、隠された小部屋があるらしい。
同時に途中経路であった洞窟のことも書いてあり、そのページに目を通した。
「サイハテ砂漠の奥には『帰らずの穴』と呼ばれる洞窟があり、出口は時間によって変化する。この洞窟に入って帰ってこない人が後を絶たなかったため、こう呼ばれるようになった。」
ショウは、出口が時間によって変化する、という部分に興味を持った。
「あの時遺跡に出れたのは偶然だったのか...?」
そう思うと猛烈に「何もなさそうだ」と言ったことが腹立たしく思える。
「必ず、もう一度あそこに行ってみせる。」
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登場人物紹介

ショウ

ハイドの子孫で好奇心旺盛。自分の気になった場所にはすぐに探検に行ってしまい、事件に巻き込まれることも。落ち着きがない。

ハイド

隠密忍者。昔、天下最強と言われた武士を破ったことで一躍有名になった。与えられた任務は、誰にも邪魔させずにこなす強者だった。

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