第7話 凶器

文字数 290文字

 ある日、事件は起こった。太郎がまさかりを振り回しながらやってきたのだ。追いかける太郎。逃げ惑う動物たち。
 「太郎さん、危ないですから。」
 動物たちがいさめようとするも、太郎は聞かない。一帯を制圧した彼は、崖向こうに進出すべく、家来たちと遠征に出かけた。動物たちはビビッて崖を飛ばない。

 「エイ!」
 業を煮やした彼は、大木を一本倒すと、それに動物たちをくくりつけ倒した。そして、向こうへ渡ると、丸太ごと引いた。
 太郎の傍若無人ぶりは街に知れ渡るところとなった。

 クマに乗り、まさかりを振り回す。今で言うあおり運転のようなその行いに、もはや誰もが恐れをなしていた。
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