第3話
文字数 300文字
屋上でぼんやりと外の景色を見つめる彼。
そのあまりにも絵になる光景に、私は思わず見とれてしまった。
(うそ……ほんとにいたんだ。
放課後の幽霊。
……っていうか別に普通の人なんじゃ……。
幽霊って感じじゃないぞ。
だってちっとも怖い感じ、しないもん……。
……というか、どことなくみたことがあるような気がするのは、気のせい……?)
彼はふいに歩き出すと、
私が立っているところからは見えない場所へと移動してしまった。
ところが、すぐに追いかけたはずだったんだけど……。
そう、彼の姿はすっかり消えてしまっていたのだ……。