第1話:上京し慶応大学でコンピュータを知る

文字数 1,997文字

 伊藤栄吉は、九州は、筑豊で「石炭王」として有名な伊藤伝右衛門の近しい親戚筋の伊藤善助の3男として1965年7月、博多に生まれた。伊藤栄吉は、幼い頃から柔道、剣道をならい逞しく育った。さらに正義感が強く曲がったことが大嫌いな性格に育った。熱心な性格、勉強熱心で中学をトップの成績で卒業した。

1979年9月に新発売されたNECのPC-8001とディスプレイ、プリンターを入れて45万円で買ってもらい、使い始めた。この頃、BASICと言う初歩的なコンピューター言語を使い簡単なゲームを作って楽しんだ。その後、日本語ワードプロセッサーが出現し文章を書くこともできた。その後、1981年2月、横浜市港北区日吉の慶応高校を受験して合格した。

 そして、筑豊の実家を出て1981年3月下旬、国分寺の1Kのアパートに入った。1982年5月、日本電信電話公社からテレホンカードが新発売され10月にNECからは16ビット、パーソナルコンピュータPC-9801新発売され、伊藤栄吉は、父に頼んで購入した。ソニーからは世界初のコンパクトディスクプレーヤーとCDソフトが発売された。

 11月に中曽根康弘内閣が発足。1982年6月東北新幹線、11月に上越新幹線が開業した。1984年には東証1部ダウ平均株価が初の1万円台を突破した。日本の平均寿命が男女とも世界一となった。ロサンゼルスオリンピックでは柔道の山下泰裕氏が金メダルを獲得し国民栄誉賞を受賞した。福沢諭吉の1万円札、新渡戸稲造の5千円札、夏目漱石の千円札といった新札が発行された。

 1984年2月に伊藤栄吉は、慶応高校から慶応大学電気科に入学しパソコンに興味を持ちパソコン研究会に入会した。この頃、Mさんが国内研究用ネットワーク「JUNET」を立ち上げの運用が開始された。これが後に日本のインターネットの礎となった。伊藤栄吉と佐野満重は、慶応大学と東京工業大学を接続してデータ通信をしているという噂を聞きつけた。

 伊藤栄吉と佐野満重は、秘密保持の条件付きで仲間に入れてもらい下働きをした。JUNETの連絡や説明に伊藤栄吉と佐野満重は、動き回った。その後、1984年10月からJUNETに東京大学が加わった。12月27日、伊藤栄吉と佐野満重は、2人だけで忘年会し
た。その席で2人ともインターネットについて話し合った。

 料理を注文し熱燗の日本酒で乾杯した。伊藤栄吉は、開口一番、佐野満重にインターネットで、もし商売を始めたら経費がかからず金の流れも把握されないと言った。佐野が、なるほどと言い利益が把握されなければ税金を払わなくて済む。これって画期的なことじゃないかと言うと2人とも納得した。

「もし、アメリカの企業が日本でインターネットで商品販売し、どれだけ商品が売れのか?」
「また、それによって、どれだけの儲けが上がったのか把握されない」
「これを知ったらアメリカ人は容赦なく日本でも世界でもインターネット商取引を活発させる」
「日本でも大手のインターネット企業が誕生すると予言した」
「そんな夢のような話をしているうちに0時となった」
 そこで2人は、自宅アパートに帰った。

 1985年1月、伊藤栄吉と佐野満重は、慶応大学の先輩で東大理学部の助手Sさんが新しいプログラム言語「TRON」の研究をしていると聞きつけた。そこで伊藤栄吉と佐野満重は、活動に参加させ欲しいと願い出ると許可が下りた。この当時から「TRON」はリアルタイム処理に特化させていた。しかし、工場の産業用機器を動かす「I-TRON」でパソコンなどビジネス用は「B-TRON」

 リアルタイム・サーバー用の「C-TRON」それらをネットワークで統合する「M-TRON」など用途の種別によって「TON」が設計されていた。このプロジェクトが発足すると学術界のみならず企業もこぞってプロジェクトに参加を表明。TRON協議会「現在のトロンフォーラム」も設置され多くの技術者が関わるプロジェクトとして始動した。

 すると、その後、噂を聞きつけた他の大学や企業の研究機関が参加し盛況となっていった。1987年3月7日の10時、伊藤栄吉は、橫浜のN証券に出向いた。そして証券口座を開き父から借りた100万円と自分で貯めた70万円のうち50万を足して150万円と証券口座に入金した。昼食後、証券会社に再び行くと東京エレクトロン株が安いと言われた。

 そこで、1300円で千株の成り行き買い注文を出すと130万円で買え残が金が20万円となった。1987年の夏休み、伊藤栄吉は、NECに就職したいと考えた。そのため、就職を前提としたアルバイト研修に申し込んだ。こうして2週間かけてNECで製造部、開発部などで研修を積んで終了した。9月中旬にNECの入社試験を受けて1週間後、内定通知が届いた。それを実家の両親に伝えると喜んでくれた。
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