生きる、生きる

文字数 270文字

気温が上がって
光の存在を感じる時期
地表は熱を帯び、大地の生き物と
俺の心を蠢かせる。

地表の虫は草むらの間から、
その姿を現して
「生きる、生きる」と動き回る。

風が吹けば草木が揺れて
木々と鳥が「生きる、生きる」と
歌い出す。

少し進むと、青い空があり、
地平の向こうまで広がって、
俺は大地に居ると自覚する。

風のように前へと進める、
地平の向こうへ前へと進める。
世界が俺に「生きろ、生きろ」
声がけする。

俺という存在は、
風と一緒にどこにでも行ける、
光と一緒にどこへでも行ける。
風の向こうへ、光の向こうへ。

俺は駆け出す、
はるかな先へ。
俺は駆け出す、
光の向こうへ。
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