第13話

文字数 326文字

 サイケデリック・ランプは2メートルほど上空でホバリングするように降下を停止すると、卓球選手はこういう機械をつかって練習するものだろうか、という至近距離からの猛攻でピンポン玉のような球体を発射した。それはまさしく三人のなかの咲良だけを狙い撃ちしたもので、彼女はしたたか顔面に打撃を受けた。なにもわたしは咲良を見殺しにするつもりはなかったが、とうてい間に合うものではない不意の射撃だったよ。わたしはアルゼンチン女性看護師の抱擁から離れ、咲良の肩を両手でつかんで彼女の顔を直視した。
 咲良の顔には新しい眼球が正しくはまっていた。贈主が誰であれ、それはうれしい贈物にちがいなかった。

 サイケデリック・ランプは静かに上昇し、夜空のバーへと帰っていった……………
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