作者前書き

文字数 933文字

 済みませんが、この話は元々皆様に読んで貰おうとして書いたのではなく、私の心残りを無くそうとして書いたものです。ですから、いつも以上に独り善がりな内容ですし、説明不足な設定も数多く存在しています。
 この為、当初公開する予定は無かったのですが、公開しないとその話が存在しなくなる様な気がしまして、公開してみようかと云う気になった次第です(気が変わるかもしれませんが……)。
 で、私の心残りは何かと言いますと、尾崎辰砂のこと……。具体的には彼女のその後について、作者である私が何も書いていないと云うことなのです(本編では新田純一の後ろ髪引かれる想いとして語られていますが、彼は私の分身みたいなものですから、まぁ良いとしてください)。

 尾崎辰砂は、ノベルデイズのサイトでは未公開の『耀変物語2』に登場したキャラクターで、耀子に化けたオサキ狐の少女です。
 彼女は元々、ラクトバチルス(乳酸桿菌ですね)に属する妖狐で、鉄男、耀子兄妹とは、ライバル関係ながらも、時に共闘する仲間でもありました。そして、彼女は大悪魔の血筋の子を持ちたいと、鉄男に迫ると云う困った狐娘でもあったのです。
 そんな彼らの関係は、玉藻御前の復活の噂から、玉藻御前に従わんとするオサキ狐(オサキ狐は玉藻御前の生命維持モードである殺生石の破片から生まれたと言われています)と、神の使いである霊狐として人間と共生したい政木狐(大刀自)との戦いによって引き裂かれることとなります。
 辰砂は、その後、耀公主月宮盈を暗殺しようとして、逆に嬲り殺しにあってしまうのですが、この一連の反乱(オサキ一党の乱と呼ばれています)で死んだ菅原縫絵、尾崎真久良、尾崎城兼は、別の話に屡々(しばしば)登場していますが、尾崎辰砂に関しては、その後、どの話にも姿を見せることがありません(尾崎群咲も再登場してませんが……)。
 いつか、生まれ変わった彼女を主人公に、何か書いてみたいと思っていたのですが、もう随分と時が経ったのに、まだ彼女の登場は果たされていないのです。
 そんな訳で、今回、オサキ四狐の一人、尾崎辰砂の転生の物語を書くことにしたのです。ま、流石に彼女のキャラでは、主人公は無理だったのですが……。

追)巻末に、関連設定を書いて置きます。
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登場人物紹介

新田純一(要鉄男)


元大悪魔。耀公主の能力と伝説の大魔法使いアルウェンの魔法を受け継いでいる超人。現在は別時空に移住し、妻・美菜、娘・有希と平和に暮らしている。

尾崎辰砂(要辰砂)


オサキ四狐のひとり。当初、ラクトバチルスの一員として要鉄男、耀子兄妹と共に戦っていたが、オサキ一党の反乱により敵味方に別れた。決戦の数日前、月宮盈の暗殺を目論むも、逆に捕らえられ、月宮盈に殴り殺された。愛称シンシア。

藤沢耀子(要耀子)


元大悪魔。新田純一と同じ力を持つ超人。オサキ一党の乱のテーク1では月宮盈に焼き殺されるが、やり直しのテーク2でオサキ一党を倒し生き残る。現在、大家族のビッグママとして、日々優雅に暮らしている。

白瀬沼藺


鉄男の恋人であった雷獣・菅原縫絵の生まれ変わり。妖狐の術と雷獣の力を併せ持つ。通称霊狐シラヌイ。

政木狐(大刀自)


仙籍、白面金毛九尾の狐。政木屋敷に住む妖狐界の大立者。

政木大全景元


政木家の妖狐。鉄男と縫絵が政木屋敷を訪れた際は、政木家の次期当主ながら、二度に渡り接待役を務めた。

月宮盈(耀公主)


鉄男たちが住み着いた時空に先住している悪魔殺しの大悪魔。テーク1では玉藻御前の狐火から鉄男を庇い焼死するも、テーク2では鉄男、耀子と組んで玉藻御前を打ち倒した。

要慎之介、照子


ストリートチルドレンだった鉄男と耀子を引き取って自分の子供として育てる。

新田有希


新田純一の娘。

犬里風花(橘風雅)


白瀬沼藺の義理の妹。

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