キンドルの底に眠る本たち

文字数 692文字

 この間友達の麗香と話していたら、本は好きだが、読破できないのがこわいと言われた。
「一宮は読破いつもしているんじゃないの?」
と聞かれた。いやいや滅相もない。
「よくするよ…」
 人間関係をきれいに紙で書かないと理解できないほどの難解な推理小説、どこまで読んでも設定ばかりで、ちっとも本文が始まらない現代ドラマ小説。面白くないから読まないというより、難しくてつい読む手が進まない本はよく登頂できず、遭難していまう。いくつもの読破できていない本が電子書籍kindleの底で眠っている。
 文学YouTuberのベルや梨ちゃんも読めなかった本の話題をしている。おそらくだけど、読む人にとってけっこう日常的なアクシデントだ。
「ふーん、じゃあ読めば読むほど、母数が増える分、読めなかった本も増えるのか」
 まあ、そう願ってるね。

 書評コンテストが実施されることになった。わたしはうおっ参加しようと意気込んではいるのだが…。
 7冊中の6冊の課題図書が1900円ぐらいするのだ。一冊だけ1000円以下の本があるのだが、それは9月下旬から発売予定の本だった。うーん、どうしようか。ただ今のところこんなハードルがあるせいか、それとも参加者が本を読んでいるせいか、まだ応募者がいない。たぶん出ても多くない。なので、乗っかろうか今悩んでいる。
 
 どんな文庫でも3冊は買えるであろう、これだけ高い本を読破できないとけっこうへこたれそうなので、少し慎重に悩んでいる。いつもは読破できなくても、自分の好みなど新たな発見があるからと思っているから怖くないのに、怖気(おじけ)づいて無料サンプルを震える手でダウンロードする自分がいる。
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