凡才(10/30)

文字数 491文字

凡才は天才が好き
憧れ
羨み
嫉妬する
努力せずとも成功するのが天才
いくら努力しても敵わない
そう信じているから
凡才は努力を捨てる
天才は努力を続けるから真の天才となり
凡才は努力を諦めるから心底凡才となる
天性の才
かつ、努力できる人
そのことに気付いた天才だけが天才でいられる
努力を怠れば
天才から転がり落ちる
凡才がいつまで経っても凡才でいることも苦しいが
かつての天才の方がどうしようもなく苦しい
凡才のまま終わるのも幸せなのかもしれない
夢見て終わる
それくらいで良いのではないのか
凡才は自分を凡才とは言わない
天の才があると信じて歩み
真の天才に出会って
自身が凡才であったと知った者が
卑下して凡才と言うのだ
努力さえしないのであれば凡才でもない
生きる屍だ
自分に才がないと気付いたら
せめて努力する
さすれば凡才にはなれる
まずは凡才を目指す
死に人から復活するために
努力できる人間になりたいと願いながら
多くが努力しない
続かないのだ
続けることが天才なのかもしれない
捨てた努力をゴミ山から見つけ出し
零から始めよう
何の確証もないけれど
生きたまま死んでいるよりも
自分を卑下したふりをするよりも
間違いなく
苦しめる
楽しく苦しめる
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