それから

文字数 396文字

僕の想いなど歯牙にもかけず時間は過ぎてゆく
記憶の中のあなたはいつまでも美しいまま
その瞳は若さを、生命を、宿らせて
僕は絶えず衰えていくのに

あなたの目にはどんな僕がみえていた
聞いてみたい、確かめてみたい、
もう、おそい
そんなことはわかっている

僕の薫りをあなたは憶えているだろうか
朝靄のように儚く消えてしまっただろうか
憂愁がいつまでも胸をきつくしめつける

嫌いになる時はただの一度もなかった
想い出は美しい絵画のようで
共に過ごした時間のすべてが眩く輝いている

あなたと別れるわけではない
きっと
巡り巡って元の場所へかえってくる……
はじまりの場所に帰ってくる……

微かな期待は淡い吐息のようにきえてしまう
いつも、いつも……

未来の未来、その先の未来でまた出逢い
また必ず恋に落ちる
その時はすべての時間をあなたに捧げてみせる

あなたの頬をつたうその透明な涙が枯れ果てるまで

あなたがいる世界はいつだってとても美しいのだから
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