かなた、輝きの内側

文字数 328文字

あなたを包む空気の密度は限りなくゼロに近い。

いつもいつもいつも、澄んで透き通っている。

モネの睡蓮。

輝き続ける。


きっと近づけば近づく程、僕は息ができなくなりその輝きの中に沈んでしまう。

この薄いようで、とてつもなく厚い密度の境界を越えることはできるのだろうか。

あなたの両手に繋がるのは、この世で最も愛おしく美しい二つの小さな存在。あなたの命そのもの。

輝きはさらに増す。

決して近づいてはならない。神の怒りの雷で僕は焼き払わられるだろう。

焼き払われる僕の輝きはあやふやだ。

僕にできる精一杯は、その輝きを目に焼き付けて想いに耽ること。

心が常に激しく震動している。

このままでは心が壊れてしまう。

このままでは心が粉々に壊れてしまう。

とうとう息をすることさえ苦しくなった。
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