【ブックレビュー】ヘタな大人小説より世界名作児童文学!

[創作論・評論]

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35件のファンレター

“読書の秋”と言いますが、実は読書に一番向いているのは、子供時代の夏休みなのではないでしょうか?
コロナ禍で引き籠り生活を送らざるを得ない「今」、もう一度あの頃に戻って、かつて読み耽った世界名作児童文学の世界を再訪してみたら――
そこには、意外な発見が待っているかもしれません……。

目次

連載中 全23話

2021年09月09日 12:29 更新

  1. あの夏休みよ、もう一度!――序に代えて2021年08月12日
  2. 一冊目:リンドグレーン『長くつ下のピッピ』

  3. 名作児童文学の主人公は、みんな生い立ちが不幸2021年08月13日
  4. 『長くつ下のピッピ』は最初出版社に断られた作品だった?!2021年08月13日
  5. 『ピッピ』の前に、なぜか『あしながおじさん』の話になる2021年08月12日
  6. 『ピッピ』における、たったひとつのファンタジー設定2021年08月12日
  7. ピッピは子供が感情移入しにくい主人公?!2021年08月13日
  8. ピッピは世界名作児童文学の“お決まり”に反旗を翻す?!2021年08月22日
  9. 「うまくやること」と「うまくできないこと」の間(一)2021年08月14日
  10. 「うまくやること」と「うまくできないこと」の間(二)2021年08月14日
  11. ピッピは乱暴でがさつな女の子?!(一)2021年08月15日
  12. ピッピは乱暴でがさつな女の子?!(二)2021年08月15日
  13. 「うまくできない」時は、とことんダメ(一)――ピッピは深刻な学習障害?!2021年08月18日
  14. 「うまくできない」時は、とことんダメ(二)――ピッピには母親が必要?!2021年08月18日
  15. もしかして、読者はだまされていたのでは?!――一頁目に仕込まれたトリック2021年08月20日
  16. あんたたちも、海賊になる?――不思議で、ちょっぴり不穏な結末2021年08月20日
  17. 『長くつ下のピッピ』ブックレビューの“あとがき”2021年08月20日
  18. 二冊目:リンドグレーン『やかまし村の子どもたち』

  19. どうやって面白さを伝えればいいの?!――“やかまし村”という特殊空間2021年08月21日
  20. 男の子なんて、じっさいやっかいなもの――リーサが人生から学んだ真実?!2021年08月21日
  21. やさしい男の子はやっぱり高得点?!――リーサの眼に映るオッレ2021年08月22日
  22. コロナ禍の今こそ読むべき?!――スウェーデン農村生活のリアリティー2021年08月24日
  23. リーサちゃん、家出する?!――『やかまし村』版「家出のすすめ」2021年08月24日
  24. リーサちゃんは名探偵?!――女の子たちvs.男の子たち2021年08月26日
  25. いまクリスマスは……――「やかまし村」という本物の世界2021年09月09日

登場人物

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ファンレター

「本物」のクリスマス

本当に心のこもったクリスマスですね。リーサちゃん達が、やかまし村にあるものを丁寧に慈しみを持って日々を送っていることの心の豊かさ。雪灯籠が夢のように心に浮かびます。寒いのに暖かな風景。そしておじいさんへの思いやりは、「本物」のクリスマスを雪のドアのまえに連れてくる。 リーサちゃんがお年頃になると、また別の雑多なことが心を占めたり、村の不便さを感じるようになってしまうかもしれない。でも毎日笑って遊んだ少女時代のきらめきは、きっと色褪せない宝物になるはず。 リーサちゃんと一緒に追体験をしたような ... 続きを見る

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やかまし村を読んで

やかまし村。じーんとくる優しい感動とともに、ゆっくりと本を閉じました。 何という豊かな世界なんでしょう! 三奈乃さんの仰る通り、ここにあるのは資本主義の豊かさとは対極にある昔の農村の姿なんだけど、それがどれほど美しく、精神的に満たされた世界だったのか。まさにそれを描いた作品だと感じました。リンドグレーンは自分の子供時代を振り返って、遊び死にしないのが不思議なぐらいだったと言っていたそうですが、リーサちゃんも他の子供たちも、目が輝いているその表情が見えるようでした。そのぐらい、どの登場人物も生き ... 続きを見る

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毎年クリスマスの翌日にケーキを購入するのが幸せです、ふふっ

 異世界転生ができるなら、絶対やかまし村に行きたいっ! 雪の灯籠の美しさに感動し、年とともに不自由なところがでてくる年配者を思いやることで、自分たちも幸せになれる。なんて、豊かな精神世界なんでしょう。今の自分の生活を顧みると、次元の違う無垢な崇高さを感じます。  消費社会の中で宣伝に踊らされ、クリスマスにみんなと同じレベルの贅沢をすることで平均的虚栄心を満たすことが幸せだと勘違いした日々もありましたが、何だったんでしょう、あれ。最近さすがにもう疲れました。クリスマスは家で寝っ転がってテレビで特 ... 続きを見る

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子供たちのクリスマス

最新話まで拝読しました。やかまし村の子どもたちのクリスマス、読んでいて心温かな気持になりました^^ このエピソードを読んで、高価なプレゼントなんてなくてもいい、心が喜びで満たされた素敵なクリスマスだなと思いました! 「いまクリスマスは、雪のドアのまえに立ち、ドアをたたいて、ほほえみをおくる」という歌、どんなメロディーなのか聴いてみたいです! 絵本『やかまし村のクリスマス』では、讃美歌「いざ歌え、いざ祝え」を歌うと書いてありましたが、今回のお話もその曲なのでしょうか? クリスチャンが総人口 ... 続きを見る

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リーサちゃんは名探偵

南ノさんが以前の返信で仰った「ファンタジー要素や冒険など派手さはなくても、こんなに面白い物語を創れるんだってこと」本当ですね!今回のブックレビューで実感しました。 みんなでわちゃわちゃ思ったことを言いあって自然の中で遊び尽くす、心の底から羨ましいです。女子と男子の意地の張り合いも、おかしいやら微笑ましいやら。ブックレビューを読んだだけで、私も疑似体験したような弾むような気持ちになりました。前回からの教訓で、「ひもがあったら、とりあえず引っ張って見る」ですね!(笑) 南ノさん、学校が始まりまし ... 続きを見る

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読んでます

今『やかまし村の子供たち』を読んでいます。これ、挿絵もかわいいんですね! 「イケメン」であるはずのオッレ(私が読んでいる本ではウッレと表記)がいがぐり頭の坊主だったので、のけぞってしまいました(笑)。しかしみんな、それぞれに素直でかわいい~。 私も干し草の山がそんなに大きいんだ、と驚きました。トンネルを抜けられるかどうか、リーサちゃんが心配になるぐらいだから相当ですよね。子供が入り込んで、危なくなかったんでしょうか。 三奈乃さんの解説のお陰で、リーサちゃんの語りがより親しく感じられます。味 ... 続きを見る

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た~の~し~い~!

 世界一楽しい子供時代はやかまし村にある! って感じですね。みんなで楽しくお手伝い、そこにはバケツ一杯のジュースがどーん、と置いてある。ああ、もう理想郷! お手伝いだって悪ガキみんなでやればレクリエーションですよね。(トム・ソーヤの冒険の冒頭、壁のペンキ塗りを思い出します) この時点ですでに身をよじってうらやましがってしまうのですが、でも楽しさはどんどんエスカレート。男子軍団対女子軍団~~、そして宝物(?)探し、敵の基地探し。燃えますねぇっ!!!  これを読んだ子供達がどんだけ胸をわくわくさせ ... 続きを見る

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なんだかすっごくうらやましい……

 干し草のベッドで寝る話と、プチ家出の話を拝読しました。うらやましくてたまりません。この村には電話はないかもしれないけど、子供が子供らしく健康でいられる環境がありますね。昔のゲゲゲの鬼太郎の唄(試験もなんにもない~って奴ですね)の雰囲気。そして、良い意味の緩さも。現代日本では子供達だけで納屋に泊まるのは、誘拐とか変質者とかいろいろな事があるし、すぐには許してもらえないと思います。子供が日常のなかで冒険できる社会っていいなあ。才能や、権力ではなく、「優しさ」を持っているのが一番、という心情を子供が ... 続きを見る

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二冊目 5話まで

『アンナとわたしの家出』とっても面白かったです! 児童文学ってこんなにウイットに富んだものなんですね。 リーサちゃんはじめ子ども達はみんな真剣なので、ますます面白さが倍増します。そしておじいさんの存在は大きい、まさに老賢人。リーサちゃんはそこで人生の「最大の真実」を学ぶのですものね。 私は個人的に、リーサちゃんが示した“家出の条件”がツボでした。そして“ひも”を引っ張ったのがよりにもよってあの……!それからの場面は、「華麗な魔法や派手な冒険」無しでも怒濤の展開。(笑) 南ノさんがこの本を紹 ... 続きを見る

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ハイジ

南ノさん、おやさしいお心遣いのお返事をありがとうございました! 心に染み入りました。 アニメ版の「ハイジ」に対する「朝目覚めた瞬間からハイテンション」に笑ってしまいました^^ わたしも10年ほど前にハイジのアニメ版を観まして、原作も読みました。わたしはアニメよりも原作の方がずっと感動しましたよ! ハイジの美点として原作で強調されるのは、利発であることです。ハイジの利発さが作品冒頭から描かれているから、おじいさんがハイジを教会にも学校にも行かせず、学校に行かせるよう説得に来た牧師を拒否する場 ... 続きを見る

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小説情報

【ブックレビュー】ヘタな大人小説より世界名作児童文学!

南ノ三奈乃  minano

執筆状況
連載中
エピソード
23話
種類
一般小説
ジャンル
創作論・評論
タグ
ブックレビュー, 児童文学, リンドグレーン, 長くつ下のピッピ, やかまし村, あしながおじさん, 秘密の花園, 小公女, 若草物語, 書評
総文字数
60,475文字
公開日
2021年08月11日 16:01
最終更新日
2021年09月09日 12:29
ファンレター数
35