第47話 破れた袈裟

文字数 162文字

 袈裟(けさ)の袖をどこかに引っかけて破いてしまった。裂け目から糸が引いている。

 あら、存外気に入っていましたのに。

 切ってもよかったが、絹糸(きぬいと)は丈夫であるし、縫うにしても糸はいる。それに化けの姿ではあるが、おいそれと鞍替(くらがえ)えするかと問われれば首を振る。

 少し行って糸の端を取って帰ってくればいい。そう考えて、玉鏡は来た道を引き返した。
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