第6話 映画館デート

文字数 541文字

今日こそ殺す。そう決意して家を出る。
今日は竹下翔と映画館デート。この前仲間と話してから数回デートをしているのに未だに殺せていない。全然上手く行ってない。竹下翔と出会ってからすでに2人程殺っている。
「お待たせしました。いつもお早いですね。」
いつも早すぎでしょ。
「いつも楽しみなんだよ笑。」
毎回言ってるけどそんなわけ無いでしょ。
「さえさんはそんなに楽しみじゃない?」
「え?楽しみですよ。」
あなたを殺すのがね。
「ふ〜ん。」
自分で聞いときながら私には興味ないのか。
「中入ろっか。」
「はい。」
今日はあまり翔が話しかけてこなかったので私は作戦を練る。とりあえずはいつもの毒をポップコーンに入れよう。
チケットとポップコーンを買った。そして翔がトイレに行っている間にこの間の残りの毒を入れる。
「持っててくれてありがとう。」
やばい。やばい。まだ毒が染み渡ってない。
「いえ…あの!」
とりあえず素早くポップコーンを椅子に起き立ち上がる。そして翔の手を掴み、少しでも気がポップコーンに向かないようにする。
「ん?」
「えっと…どうした?」
「あ、えっと…」
バレないか緊張するのと気まずさで顔に熱が集中するのが分かる。どうにか誤魔化そうと思って出た言葉は
「手…繋ぎたくなっちゃって…」
なんとか誤魔化せたかな、、、?
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登場人物紹介

菊川さえ

トールトのスパイ。竹下翔を殺すように命令される。完璧主義で何でもできる。恋愛に興味がない。

詐欺師。菊川さえを騙そうとする。明るい性格で、誰とでも仲良くできる。

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