第12話 始まりの最後
文字数 886文字
今日は人生最大の晴れ舞台。
あれから早5年。今までいろいろな事はあったけれどそれを乗り越えて今日まで二人で生きてきた。
「さえ、ちょっといい?」
「うん。」
部屋に翔が入ってくる。
「ドレスもメイクも似合ってるよ。」
「本当?ありがとう。モテテクだったら許さないよ。」
「本当だって!!だってもうモテテクとか使う必要ないから。」
私達は付き合ってから殺し屋と恋愛詐欺師という仕事は辞めた。だから今は素直な感情を翔にぶつけられる。前みたいに性格を作らなくて良い。素の私を見せられる。まあ、それがきっかけで喧嘩も散々したけどね。
「翔もそのスーツ似合ってるよ。かっこいい。」
「さえがそんなこと言ってくれるなんて珍しいじゃん。照れるわ〜。」
「いつも思ってるよ。言わないだけ。」
「ふーん。怪し。」
「ほんとほんと、ってことだからまた後でね。ばいばーい。」
私は無理矢理翔を部屋から追い出す。
最終確認しないとね。あと五分で始まるからね。メイクも髪型も…よし!バッチリ!
私は鞄からポーチを取り出した。ここにはいつかのデートで買ったお揃いのキーホルダーがついている。それを私はぎゅっと握った。
そして私の母が
「さえ、幸せにね。」
そう言ってペールをおろしてくれる。
私達は昔の仕事上、大きな式は挙げられないけど十分だ。式を挙げられるということだけで嬉しい。
「では、新婦のご登場です。皆様大きな拍手でお迎えください!」
私の目の前の扉が開く。
そこには家族や友人が拍手で迎え入れてくれる。そして目の前に見えるのはスーツを着た翔。私は父と腕を組み、まっすぐ翔の前まで歩く。
「新郎竹下翔あなたはここにいる菊川さえを
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」
「誓います。」
「新婦菊川さえあなたはここにいる竹下翔
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」
「誓います。」
そして私達は指輪を交換した。
「それでは誓いのキスを」
翔はそっと私のベールを持ち上げ唇にキスをした。
花の眠りが覚める季節。穏やかな太陽に照らされ、私達は結ばれた。
あれから早5年。今までいろいろな事はあったけれどそれを乗り越えて今日まで二人で生きてきた。
「さえ、ちょっといい?」
「うん。」
部屋に翔が入ってくる。
「ドレスもメイクも似合ってるよ。」
「本当?ありがとう。モテテクだったら許さないよ。」
「本当だって!!だってもうモテテクとか使う必要ないから。」
私達は付き合ってから殺し屋と恋愛詐欺師という仕事は辞めた。だから今は素直な感情を翔にぶつけられる。前みたいに性格を作らなくて良い。素の私を見せられる。まあ、それがきっかけで喧嘩も散々したけどね。
「翔もそのスーツ似合ってるよ。かっこいい。」
「さえがそんなこと言ってくれるなんて珍しいじゃん。照れるわ〜。」
「いつも思ってるよ。言わないだけ。」
「ふーん。怪し。」
「ほんとほんと、ってことだからまた後でね。ばいばーい。」
私は無理矢理翔を部屋から追い出す。
最終確認しないとね。あと五分で始まるからね。メイクも髪型も…よし!バッチリ!
私は鞄からポーチを取り出した。ここにはいつかのデートで買ったお揃いのキーホルダーがついている。それを私はぎゅっと握った。
そして私の母が
「さえ、幸せにね。」
そう言ってペールをおろしてくれる。
私達は昔の仕事上、大きな式は挙げられないけど十分だ。式を挙げられるということだけで嬉しい。
「では、新婦のご登場です。皆様大きな拍手でお迎えください!」
私の目の前の扉が開く。
そこには家族や友人が拍手で迎え入れてくれる。そして目の前に見えるのはスーツを着た翔。私は父と腕を組み、まっすぐ翔の前まで歩く。
「新郎竹下翔あなたはここにいる菊川さえを
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」
「誓います。」
「新婦菊川さえあなたはここにいる竹下翔
病める時も 健やかなる時も
富める時も 貧しき時も
夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」
「誓います。」
そして私達は指輪を交換した。
「それでは誓いのキスを」
翔はそっと私のベールを持ち上げ唇にキスをした。
花の眠りが覚める季節。穏やかな太陽に照らされ、私達は結ばれた。