第一話　本当の私

「さ、よ、う、な、ら」
満月の夜、月明かりが照らす静かな森の中に私は小さくつぶやく。その瞬間隣にいた男は死んだ。

「さえさん、天才です！こんな案思いつきませんよ。」
「そう。ありがとう。これからも頑張るわ。」
私は普段ある研究所で薬の研究をしている。
「さえさんって本当、完璧で凄すぎます！なんでそんな何でもできるんですか？」
「そう？私は特になにもしてないわ。」
たが、私の本当の仕事はこんなものだけではない。


いわゆる「殺し屋」

ただ殺すだけではなくスパイだ。
私は悪事を起こした人を殺す組織「トルート」というものに所属しており、そこではそこそこ強い立場にいる。
刺殺、銃殺、毒殺色々してきた。
今まで殺した人数はざっと数えて40人ほどだろうか？こんなこと政府にバレたら即死刑だろう。たが私は完璧に殺し、社会的に抹殺しているので未だバレたことはない。
今日もまた、研究所の帰りに殺人の依頼。
私はいつもの仕事着、全身黒の服に身を包む。そして髪を結ぶ。
さあ、今日も頑張ろう。

これが私菊川さえの本当の姿。