第5話

文字数 747文字

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 ネットをサーフィンしまくって様々な情報を得た俺は、生活の全てをサッカー向けに変えると決意した。
 まず、食堂との契約を止めた。食堂で出る唐揚げとかの揚げ物には、環境ホルモン作用があるサラダ油が使われているからね。
 あと食堂ってほぼ全寮生の食事を作るじゃんか。だから、油も長時間の使用で劣化して、毒性が強くなるそうなんだよ。
 俺には、妙ちきりんな物を食べて身体を壊している暇はない。だから俺は、これまでの親からの小遣いを全部はたいて、玄米から発芽玄米を作れる炊飯器を買った。それで玄米と一緒に、魚や肉、野菜を入れて、炊き込みご飯にして食べるようにした。
 健康的で食費も浮いて、一石二鳥である。サバイバル感が半端ないけどね。
 そりゃあ手間の掛かった、温かくて美味しい料理のが好きだよ。だけど、俺にはサッカー部で上に行くっつー使命があるからね。そのためには、食事に快楽は求めない。
 食費が抑えられると、その分のお金をスパイクに回せる。ってわけで早速、ニュー・バランスの最高級品を買った。
 サッカー・ソックスは、五本指のものに変えた。ショップで履いてみたら、ボールを扱う感覚が裸足に近くて良かったからね。それと五本指ソックスのほうが指の動きが意識できて速く走れるって、佐々がアドバイスしてくれてたし。
 睡眠時間は、毎日、六時間。睡眠のサイクルは九十分だから、九十分の倍数だけ眠れば、睡眠の効率が良い。
 勉強はできるだけ、授業だけで理解すると決心した。あんまり頭は良くないけど、未奈ちゃんとくっつくって目的が絡めば、記憶力が上がるはずである。
 全ては来る女子Aとの試合で未奈ちゃんを止めて、Cからおさらばするためだった。主義や心情だけじゃあない。俺は、目標のために全てを捨てる覚悟だった。
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