第12話

文字数 2,832文字

それから数日が経過して、いよいよ1年の記念日が近づいてきた。

「……業務連絡は以上になります。それで、プライベートな話になりますけど、いいですか?」
「はい」
「そろそろ付き合って1年になります」
「ふふふ、はい」
「それで近場の少しいいホテルをとろうと思うんですが」
「ホテル!」
「なるみさん、ただホテルに泊まってだらだらするのが好きだと言っていたでしょう」
「はい!」
「〇日から2泊3日でどうですか?」
「大丈夫です!ホテル、本当に久々です!嬉しい~」
「……まぁ、一応防音のしっかりしているところを選ぶ予定なのでそのつもりで」
「は、はい……」

ホテルに泊まる日。
君は予約したホテルを見て、目を丸くしていた。

「ここって……私が前に泊まってみたいって言ってたところじゃないですか!」
「そうですよ」
「……少しいいホテルって、ここめちゃくちゃいいホテルですよ……」
「……だからと言って、いいホテルをとったと恋人に自慢するのも無粋でしょう?」
「薫さん……好きっ!」
「ふふっ、現金ですね」

僕の腕に抱き着いて眩しいくらいの笑顔を見せてくれる君。
前に付き合っていたころはこんなこと、絶対になかった。
部屋に入っても君はずっとはしゃぎっぱなしだった。

「スイートとかこれが最後かも……まず部屋の写真撮っていいですか?」
「いいですよ」

君が喜ぶのならこれから先も何度だって泊まるのにと思いつつ、興奮しながら撮影している君を見ていると笑みがこぼれてしまう。

「……?どうしました?」
「いえ、喜んでもらえて何よりです。なるみさんは本当に可愛いですね」

照れくさそうにへにゃっとした笑顔を浮かべる君。

「あ、ご飯はどうするんですか?」
「このホテルのレストランか、ルームサービスか……近くに評判のお店も多いので、テイクアウトするのもひとつですね。とりあえずレストランを見に行っておきますか?」
「はい!」

結局、君が気に入ったレストランを見つけて、そのままそこで食事をした。
部屋に戻ってからも君は部屋からの景色を眺めたり、アメニティーをチェックしたりと忙しくしていた。
僕はソファーに腰かけて、いつものように小説を読んでいた。
しばらくすると君が僕の隣に座って、すり寄ってきた。

「薫さん」
「何ですか?」
「……シャワー、浴びようかと思うんですけど」
「……いいですよ」
「……一緒に浴びません?」
「……いいんですか?」
「薫さんが嫌なら別にいいですけど……」
「嫌なわけないでしょう」

そのまま君にキスをして、一緒にバスルームへ行く。
君は自分から誘ったくせにいざ服を脱ぐとなると恥ずかしがって、僕だけ先に入るように言われた。

「……私だってそれなりに恥ずかしいんですよ?」
「い、いいから!先に入っててください。私がいいって言うまで振り返っちゃダメです」
「まったく……」

先に服を脱いでバスルームに入ると、僕はシャワーの温度を調節する。
そろそろちょうどいいかなと思ったタイミングで、君もバスルームに入ってきた。

「……まだ振り返ってはいけないんですか?」
「まだです」

君の声がバスルームに響く。
背中に体温を感じたと思ったら、そのまま君の手が僕のお腹に回ってきた。
その手にシャワーをかけて、温度を確認してもらう。

「……これくらいの温度でいいですか?」
「ふふふ、いいですよ」
「そんなにぴったりくっつかれたんでは体を洗えません」
「私が後ろから洗ってあげます」
「……なるほど。滑って転んでは大変ですから座りましょうか」

君は僕の体をシャワーでまんべんなく濡らすと、ボディーソープを手で泡立てて背中から優しく洗ってくれる。

「ふふふ、薫さんの体って彫刻みたい」
「まぁ、鍛えていますからね」

胸や腹筋も優しく撫でるように洗う。
君の手が僕のものにおそるおそる伸びて、ゆるゆると刺激を与える。

「たってる……」
「……当たり前でしょう。さすがに私も恥ずかしいんですが……こういうの、どこで覚えてきたんですか?」
「別に……覚えてきたとかじゃなくて、私がしてみたかっただけです~」
「ふふっ、そうですか。ほら、私のほうはもういいですから、場所を代わってください」
「わ、私は自分で……」
「それはなしですよ」

ざっと体を流すと、僕は君の後ろに回った。
シャワーで軽く濡らして、同じように泡立てたボディーソープで君の体を洗っていく。

「……触り方がやらしいです」
「これは普通に洗っているだけですよ。やらしい触り方というのはですね……」

君の胸を下から上へと持ち上げて、その先端を優しく刺激する。
胸から下へと手を伸ばして、敏感なところを円を描くようにねっとりと攻める。
体をくねらせながら君が声を上げる。

「あっ、あっ……」
「バスルームだと声がよく響きますね」

シャワーで泡を洗い流した後も、僕は君の下のほうを攻め続けた。

「んんっ、もういいですってば……」
「いえ、まだ石鹸が残っているじゃないですか」
「あっ、あっ、それ石鹸じゃない……」

細かなところにも指を這わせて、ぬるりとした感覚を確かめる。

「……女性はシャワーでする人も多いと聞きますが」
「……そうですね」
「なるみさんはしたことが?」
「……ありますけど」
「ここのシャワーヘッド、水流が変えられるようなんですよ」

シャワーヘッドの首を回すとカチカチという音とともに、水流が切り替わった。
水の出る範囲が狭まり、その分、水圧が高まる。
君の足が閉じないように、さりげなく僕の足を絡めて足を開かせる。
君のクリトリスを剥き上げると、そこにシャワーを当てた。

「あぁっ!これっ……だめぇっ……」

足ががくがくと震え、腰が逃げようとする。
もちろん、僕は逃がさない。
一番敏感なところにシャワーを当てながら、君の首筋をしゃぶる。
びくびくと小刻みに跳ねていた君の体がさらに大きくびくりと跳ねた。

「やぁっ……いった!いったからぁ!」

シャワーを止めて、君を優しく抱きしめる。

「やだぁ……薫さん、いじわる」
「先ほどのお返しです。……では今度こそ綺麗に流して、上がりましょうか。このままだとのぼせてしまいます」

シャワーから上がって、君の体をバスタオルで丁寧に拭いていく。
胸を持ち上げて、胸の下まで綺麗に拭く。
君はすぐに汗をかいてしまうから。
そのまま足まで丁寧に丁寧に。

「……そこの洗面台に腰かけてみてもらえますか?」
「こうですか?」

君は両手をついて、洗面台に腰かけた。
その足をぐっと開いて、さらにその奥を指で広げる。

「あっ、やだぁ……」

そう言いつつも、君は抵抗しない。
指ですくうと糸が伝う。

「……洗い流したと思ったんですが」
「だって……さっきいったばっかりだから……」

そのまま指を入れて、先ほどまでシャワーでいじめ抜いて敏感になっているクリトリスを口に含んで舐る。

「やぁっ、またっ……」

僕の頭をやんわりと押さえているけど、本気で嫌がっているわけではないのがよくわかる。
腰を震わせながら、いつもよりも早くにいってしまった君。

「……早くベッドに行きたいです……」
「ふふっ、わかっています」
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