第19話

文字数 633文字

チェックアウトの日。
着替えて、忘れ物がないかもチェックして、時間までふたりでゆっくりと過ごしていた。

「あーあ、この大きいベッドもこれが最後かぁ……」
「そうですね。でも、また泊まりにくればいいじゃないですか」
「一週間もいるとなんか家みたいな感覚になります」
「ふふっ、確かに」
「薫さん、出るまであと何分くらいありますか?」
「ええと……20分くらいですね」
「ふーん……」
「どうしました?」
「……最後に、服着たまま……」

僕は返事もせずに君を押し倒した。

「……服を汚さないようにしないといけませんね」

君のスカートをたくし上げて、パンツをぐいっと横にずらす。
すでに濡れているところに指を入れて、わざとぐちゅぐちゅと音を立てる。
そのままクリトリスに吸い付いて、歯でしごくように刺激を与える。
口先と舌でクリトリスを嬲ると腰が浮いて、君はすぐにいってしまった。
ベルトを外し、僕のものを取り出して君の中に入れる。
裸で乱れている君もいやらしかったけど、服を着たままで求めてよがっている君も淫らだ。

「あっ、あっ……」

最後に大きく腰を打ち付けて、君の奥にたっぷりと出した。

「んふふ……最後の最後までしちゃいましたね」
「……服を着たままというのもいいですね」

チェックアウトをしたら夢から覚めたような感覚になるのではないかと思っていたけど、そんなことはなかった。
むしろ、チェックアウトをしてからもずっと夢のような日々が続いていた。
君と一緒に仕事をして、夫婦として出かけて、毎日のように君を抱いた。
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