第10話

文字数 2,371文字

君が家に来ると約束した日。
インターホンが鳴って、玄関を開けるとストンとしたシンプルなワンピースを着た君が立っていた。
君が玄関に入ってから、鍵をかける。
まだ靴を履いたままの君に貪るようにキスをする。

「今日もすぐベッドでいいですか?」

君は僕の胸に顔をうずめながら頷く。
ベッドに向かって君より先に座ると、僕はまた膝を叩いた。

「座ってください。今日は後ろ向きで」
「後ろ向きって、こう……ですか?」
「そうです。ああ、いいですね……」

後ろから君を抱きしめて、うなじから左の首筋にキスをする。

「ふふふ、くすぐったい」

最初は笑っていたけど服の上からゆるく体をなぞっていくと、少しずつ色っぽい声が混ざってくる。

「少し腰を浮かせてもらえますか?」
「……?こうですか……?」

君が腰を浮かせると、ワンピースの裾をぐっと引き上げる。

「……せっかくのワンピースが汚れてはいけないですから」
「そ、そんな汚れないと思いますけど……」
「ここ、すごいことになっていますよ」

薄い布越しに少し強めになぞるとぐちゅりと湿った音がした。

「だって……」
「……ワンピースの前の裾、咥えてもらえますか?そのほうが声も我慢できるでしょう?」
「い、いじわる……」

そう言いながらも素直に従う君。
君が裾を咥えたのを確認して、胸を揉み、パンツをわざと食い込ませる。

「んんっ……」

真っ赤になっている耳を見ながら、首筋に吸い付いた。
先ほどまで左胸を愛撫していた手をパンツの中に入れて、一番感じるところを3本の指で上下に何度もなぞる。
わかりやすく君の腰がびくつく。
もう片方の手を足の付け根からパンツの中に入れると、すでに何度かいってしまったのではないかというほどに濡れていた。
指をねじ込んで、いつもよりきつく感じるのは体位のせいだろうか。
それとも君がこのシチュエーションに興奮しているからだろうか。
君の息が荒くなってくる。
少しだけ激しく動かすと君の体がびくっと大きく跳ねて、中で動かしていた指がぎゅっと締め付けられた。
咥えていた裾が君の口からはらりと落ちると、そのまま君の上半身が僕の胸に倒れ込んできた。

「はぁ……はぁ……」
「……パンツ、履いている意味がないと思うんですが」

そう言いながら、クリトリスを優しく労わるように撫でる。

「あっ、ダメっ……」

力の抜けていた体がまたびくびくしだす。
中も先ほどの余韻なのか、まだ軽く指を締め付けている。

「……も、もう脱ぎます……」

息が落ち着いてくると君は恥ずかしそうに僕の膝から降りた。
ワンピースを脱いで、ブラも外して、パンツも脱ぐ。
ああ、そのブラを嗅ぎたい。
パンツもしゃぶりたい。
でも、そうすると君に気持ち悪がられるかもしれないから我慢する。
生まれたままの姿になった君は向かい合うように僕の膝に座ってくる。

「……もうっ、薫さんも早く脱いでください」
「これは失礼しました」

いつものように上半身だけ裸になると、君のほうからキスをしてきた。
舌を入れて、僕の歯や歯茎をなぞってくる。

「……積極的になりましたね」
「……嫌ですか?」
「いえ、最高です」
「その……今、生理前で……そういう気分になっちゃうんです」
「ああ、それで。濡れやすいのはもうわかりきっていましたけど、さっきは特にすご……」
「もうっ!い、いいですから……」
「……そういうことなら満足してもらえるよう、いつも以上に頑張らないといけないですね」

いつもとやることは同じ。
ただ君をいかせるだけ。
でも、今日はいつよりも君がいやらしかった。
切なそうな声を上げるだけでもたまらないのに、恥ずかしそうに「もっと」と言われて何度理性が飛びそうになったかわからない。
シーツにまたたくさんのシミができた。
10回以上いって、君はさすがに疲れたのか僕の隣でぼーっとしながら水を飲んでいる。

「……さすがに疲れたでしょう?」

恥ずかしそうにコクリと頷く君。

「今日はこのくらいにしておきますか?」
「……」

君はじっと僕のほうを見つめてくる。

「……最後にもう1回だけ……」

言った後に恥ずかしくなったのかもじもじしている君から空になったグラスを取り上げて、そのまま押し倒した。
もう1回だけ、と言われたけど止まらなくなってしまった。

「あっ、やぁっ、1回だけって……言ったのに……んっ!」

2回、3回といって、ぐったりしている君にキスをした。

「……1回だけって言ったのに」
「……すみません。あまりにも可愛かったので。……嫌でしたか?」
「嫌じゃないです……薫さんがしてくれるのは痛いのとか苦しいのとかが全然なくて、その……気持ちいいばっかりだから……」
「ふふっ、そうですか」
「……さっきのもちょっとだけ興奮しました」
「……なるみさんはSかMかで言えば、間違いなくMでしょうね。次からプレイに反映させましょうか?」
「い、いいです!そこまで本格的なものは求めてないです!」
「そうですか……」
「……何でちょっと残念そうなんですか。……それより私、困ってるんですよ」
「困っているというと?」
「今は生理前なのもありますけど、その……毎回気持ちよすぎてそういうことばっかり考えちゃうんです……」
「ほう、それは」
「……嬉しそうですね」
「当たり前でしょう」
「……でもそういうことばっかり考えて、そういうことばっかりしちゃうのってどうなのかなって」
「私となるみさんの場合、仕事もしているわけですし、普通のデートもしているでしょう?そればかりというわけではないですよ」
「うーん、確かに……」
「……それに、そういうことばかり考えるということであれば私も同じです。一応、これでもセーブしているほうなので」
「……セーブしてなかったらもっとすごいってことですか?」
「どうでしょう。……試してみますか?」
「ま、まだいいです……」
「ふふっ、まだということは先であればいいんですね?」
「もうっ……」
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