第17話

文字数 4,544文字

「……新婚初夜ですから。覚悟しておいてください」
「ふふふっ、ねぇ、もうシャワー浴びます?」
「ふふっ、いいですよ」

君は機嫌よく、バスルームへと向かった。
僕も荷物を置いてから、君の後を追いかけた。
前は服を脱ぐのも恥ずかしがっていたのに、今日の君は早く早くと言わんばかりにどんどん服を脱いでいく。
下着姿になった君は、また僕に抱き着いてくる。

「薫さん、見て。今日、新しいのつけてきたんです」
「可愛いですね。よく似合っています」

確かに見たことのない下着だった。
淡いピンク色でよく似合っているし、君の肌もより綺麗に見える。

「薫さん、脱がせて?」

優しく丁寧にブラのホックを外す。
君の柔らかな胸が露わになった。
揉みしだいて吸い付きたかったけど、我慢する。
そのままパンツをおろすと、すでに少し濡れていた。
その部分を嗅いでしゃぶりつきたいという衝動もぐっと堪える。
その代わり、裸になった君にキスをする。

「……シャワーは手早く済ませて早くベッドに行きましょうか」
「ふふふっ、はい」

君が先にバスルームへ入っていくと、すぐにシャワーの水音がした。
僕も慌てて服を脱いで、バスルームへと向かう。
お互いに体を洗い合って、早めにシャワーを切り上げる。
タオルでお互いの体をざっと拭い、また抱き合ってキスをする。
まだ体に水滴がついていたけど、気にせずに君を抱き上げてすぐにベッドへと向かった。
君をぼすっとベッドにおろすと、そのまま押し倒して貪るようにキスをした。

「んっ、あっ……薫さん……」

君の唇を解放すると、うっとりとした表情で君は笑っていた。

「んふふ……興奮します」
「私もです」
「……今日もゴムするんですか?」
「一応、持ってきてはいますよ」
「……もうしなくてもよくないですか?」
「まぁ、改めて検査を受けても結果は変わらなかったので、安心してできると言えばできますね」
「……じゃあ今日はゴムしちゃダメ」
「ふふっ、わかりました」

君に軽くキスをして、ベッドの横に置いた袋から道具を出す。

「……さて、初夜を楽しむためにいろいろと持ってきています」
「ふふふっ、えっち」
「でも、なるみさんも好きでしょう?」
「……あっ!これ、ネットで話題になってたやつ!」

君が反応したのはネットで話題になっていた吸引バイブだった。
中とクリトリスを同時に刺激できて、合う人にはかなりいいと評判になっていたもの。

「知っていましたか。これを使って中でいけるようになったという口コミがあったので、試してみるべきかなと」
「私、実際に使った女の人の体験談が漫画になってたのを見たんですけど、なんか……すごいみたいです」
「不安だったらやめておきますか?変わった形なので、合う合わないもあるらしいですから」
「んふふ……使ってみたいです」
「じゃあ、さっそくこれから使ってみましょうか」

君の足を開くと、そこはもう十分すぎるほどに濡れていた。
中に入れて、吸引口をクリトリスに合わせる。

「痛くないですか?」
「んっ……大丈夫です」
「じゃあスイッチを入れますよ」

スイッチを入れると、君の体がびくんと跳ねた。
何かに耐えるように足を閉じて、背中を仰け反らせる。

「ん゛っ、あ゛っ……薫さっ、これっ、だめぇ……っ」

目をぎゅっと閉じて、引きちぎれそうなほど枕を引っ張っている君。
すぐに腰がびくびくと大きく跳ねて、足先までぎゅっと力が入る。

「だめっ、だめっ……抜いてっ」

君の乱れように見とれていた僕は慌ててバイブを抜いた。
すると、ローションでも仕込んでいたのではないかと思うほど君の中から溢れてきた。
そう時間は経っていないはずなのに、君は呼吸も荒く、顔も真っ赤になっていた。

「……どうでしたか?」
「はぁ……はぁ……これ、すごい……」
「よかったですか」
「なんか……いつもはいった後って少し休憩しないといけないのに、続けていっちゃった気がします……」
「ふふっ、じゃあ今日はこれでいじめてあげます」
「んんっ……薫さんの、入れて……」

とろんとした表情で君が僕のものをねだってきた。
もうゴムは必要ない。
すでにぱんぱんになっていたものを君の中に沈めていく。
いつも以上に熱くて、中がうねっている。

「あっ、なんかっ、いつもより……いい……」

奥までしっかり沈めて、そのまま君の口をキスで塞いで腰を動かす。
キスをしながらも君の口から吐息が漏れる。
手を重ねて指を絡めると、君は僕の腰に足を絡みつけてくる。
高まりを感じて、君の腰を両手で僕のものに打ち付けるように動かす。
そのままスパートをかけて、初めて君の中に出した。
すさまじい快感に、しばらく惚けてしまう。

「んふふ……中でびくびくしてます……ちょっと熱い」

そのまま君を抱きしめて、首筋にキスをする。
自然と呼吸が荒くなってしまう。

「……薫さんも気持ちよかったですか?」
「……最高です」
「ふふふっ、初めて中で出されちゃいました」
「なるみさんの初めてはだいぶいただきましたね」
「んー、薫さんと出会うのがわかってたらファーストキスも全部取っておいたのに」

そう言う君にキスをする。
ファーストキスは昔の僕がもらっている。
だから、君の初めては全部僕のもの。

「あの……薫さん、それ、もう1回……」
「そんなに気に入りましたか?ふふっ、私が用なしになってしまいますね」
「ち、違いますっ!次はもうちょっと頑張って耐えるから……抜いたらすぐに薫さんの入れてほしいです……」
「……いいですよ」

まだ君のものでぬらぬらとしているバイブを入れて、スイッチを入れる。
よほど気持ちがいいのか、スイッチが入った瞬間から君の表情も動きも変わる。

「ん゛っ、ん゛っ……」

快感に耐えている君にキスをして、そのまま首筋から鎖骨に舌を這わせる。
君は僕の背中に手を回して、痛いくらいに強く抱きしめてくる。
君の胸を両手で寄せ上げると、乳首を指先でぐりぐりと弄ぶ。
先端がぷっくりと硬くなって、それを左右交互に優しく吸い上げる。
昔もこうやってよく君の胸に吸い付いていた。
でも昔とは君の表情も動きも全然違う。
君の胸を揉みながら味わっていると、君が僕の背中を叩いた。

「ん゛ん゛っ、もっ、だめっ……」

唇を噛み締めて、涙目で訴える君。
すぐにバイブを抜こうとしたけど、君の中が締まりすぎているのかなかなか抜けない。

「あ゛っ、やぁっ、薫さっ、早くっ……」

ようやくバイブを抜くと、間髪入れずに僕のものをねじ込む。
君の中は今までにないほどの抵抗感があって、本当に無理やりしているようで興奮した。
ある程度までねじ込むと奥まで吸い込まれるような感覚になって、君に打ち付ける腰が止まらなかった。

「あっ、あぁっ、んっ……」

とろけきった顔で、甘い声を漏らす君。
ホットケーキの上で溶けだしたバターみたいだなと思った。
可愛い、可愛い、可愛い。
腰の動きを速めると君の息もどんどん荒くなっていく。
君が切なそうな表情で声を漏らしたのを見たのと同時に、中で出した。
君は顔の前で腕を交差させて、顔を隠しながら肩で息をしている。
その腕をどかして、君の表情を見る。
僕と目が合うと、君はだらしなく笑った。
その表情がいやらしくて、僕は君を食べるようにキスをした。

「やだぁ……もうダメって言ったのに抜いてくれなかった……」
「違いますよ。なるみさんの中が締まりすぎて抜けなかったんです。……そんなによかったんですか?」
「んふふ……すごかったです……なんか、全部薫さんにめちゃくちゃにされてるみたいで……」
「……いやらしくて、私も興奮しました。これはなかなか優秀ですね」

君のものでてらてらと光っているバイブを君に見せる。

「ふふふっ、やだぁ」
「姿勢によっても当たり所が違っていいらしいですよ」
「じゃあ、いろんな姿勢でいじめてください」
「ふふっ、いいですよ。でもあれだけ抜けないなら放置プレイもできそうですね」
「えぇ~、やだぁ……薫さんに放置されたくない……」
「そうですか?」
「……ずっと触っててほしい……」

僕にすり寄って甘えてくる君。
とびきりいやらしくて、とびきり愛おしい。

「……わかりました。放置プレイはやめておきましょう。私もきっとなるみさんに触れたくなって我慢できなくなりますから」
「ふふふっ、えっち」
「……少し休憩しますか?」
「んー……今日は休憩しなくていいです」
「どうしてですか?」
「なんか……休憩なしでずっとめちゃくちゃにされたい……」

背中がぞわっとして、思わず昔の僕のようなだらしない表情になってしまいそうだった。
前に付き合っていたとき、僕は君をめちゃくちゃにしたかった。
起き上がれなくなるまでいかせて、それこそ失神させるくらいの快感を与えたかった。
でも当時の僕は下手くそでそこまで君をいかせることはできなかったし、君も僕が君をめちゃくちゃにしようとすることを拒んだ。
でも、今は君がそれを僕に求めている。

「……ふふっ、いいですよ。ただ、失神でもしたら大変ですから、休みたいときはちゃんと言ってくださいね。無理をするのはなしです」
「はぁい。ふふふっ、ねぇ、キスして?」

君が僕の首に腕を絡めて、キスをせがむ。
角度を変えながら何度も何度も軽いキスをする。
君が満足そうな表情になったのを確認して、僕は君をベッドの上に座らせた。
僕は君の後ろに座って、後ろから君の足をぐっと開かせた。

「入れますよ」

バイブを君に見せつけながら、君の中に入れていく。
「んんっ」と君が声を漏らす。
スイッチを入れると君の体がびくっと跳ねる。

「ん゛っ、あ゛ぁっ……」

君のお腹に手を回して、後ろから抱きしめると君の体の熱と快感に耐える体の震えが伝わってくる。
君のうなじから首にかけて、わざと音をさせるようにキスをしていく。
君の胸を持ち上げて、硬くなった先端を少し引っ張っては揉みしだく。
とろけるような君の胸を堪能していると、「もっと」とでも言うかのように君が僕の手をつかむ。

「やぁっ……薫さんっ……」

どんどん呼吸が荒くなって、何度も何度も君の体が跳ねる。
すでに何度いったかわからない状態で、君が切なそうな苦しそうな声で懇願してきた。

「もっ、だめぇ……抜いてぇ……」

相変わらず君の中はこのバイブをなかなか離したがらない。
口では抜いてと言っているのに、体は抜かないでと言っている……そんな君が本当にいやらしい。
バイブをどうにか抜くと糸が引いていた。
恥ずかしがる余裕もないくらい君は僕の胸でぐったりとしている。
そんな君の頭を優しく撫でていると、君がだるそうに体の向きを変えて僕にキスをしてきた。
キスをしながら誘うように僕のものを手で弄ぶ。

「……薫さんのも」

そのまま君を押し倒すと君は嬉しそうな顔をした。
こういう風にされるのが好きらしい。
まだ熱いそこに僕のものをあてがって、一気に貫いた。
ベッドシーツを強く握る君。
僕が腰を打ち付けるたびに、君の胸がたゆんたゆんと揺れる。
柔らかすぎて仰向けになると流れてしまうような胸。
淫らだ。
君の中に出して、そのまま君の上に倒れ込むようにして君を抱きしめる。
ようやくひとつになれたという感覚が自分の中でじわじわと増していく。

「んっ、薫さん……お水飲みたい」
「……そうですね。さすがに私も喉が渇きました」

しばらく抱き合ったまま余韻に浸ってから、ふたりでベッドの横に座って水を飲む。
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