帝国歴885年 4月25日

文字数 567文字

 セバスチャンの調べではブロンティと父親はあまりうまくいっていないらしい。父親が宰相ということもあって厳しく躾けられたせいだとセバスは推測していた。確かに彼は重荷を背負いながら生きてきたのだろうが、それは貴族の家の出ならば全員が思うことだ。私が死んだあの日、彼は父親までも貶めようとしていた。それほどまでに恨む理由が他にあるはずだ。彼は卑屈な人間ではない。できるだけ学校では関わらないようにしている私にも彼の素晴らしい功績は聞こえてくる。このまま彼が貴族派の指示を集めれば私は自然と追い出されるだろう。

 話は変わるが私の陰のあだ名が変わっているみたいだ。今回は「ワンパン皇太子」だそうだ。意味は一発で相手を倒すということらしい。これは不良化に一歩前進したということだろう。最近一人で校内を歩いていると勝負を仕掛けてくる輩が増えたような気がするが、一通り倒しておいたからそろそろ落ち着くだろう。

 ファッションの方も学内は落ち着いてきたと思ったが、今度は商業団体にまで話が広まっているらしくファッションブランドを出さないかという誘いの手紙が多く届くようになった。これは不良化から遠のいていると感じる。無視しているが王宮にまで商談をもってくるものだから対応しなくてはならない。皆の反感を買うにはどうしたら良いのかまた計画を練らねばならない。
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