この日のブロンティの日記

文字数 375文字

 今日皇子と長く話すことができた。皇子は噂通り不良のような態度だった。この国の次期皇帝とは思えない振る舞いだ。彼はなぜあのような人間になってしまったのか。

 何度か王宮で彼の姿を見たことがあるが周りの陰口にも黙って耐えていた。剣術の稽古をボロボロになるまで行っていた。勉学にも秀でていて帝国議会で宰相の父が感嘆するような発言をしたらしい。私はそのことずっと父に言われていて、おまえもこれくらいはできるようになれと言われて育った。
 
 彼は逆境にも負けない強い男だと思っていた。私も彼のようになりたいと努力してきたのに彼の学校での成績は悲惨だ。こんな中で主席になっても嬉しくはない。私の周りにたくさんの人が集まってきて賛美してくる。帝国を引っ張っていく人間にふさわしいと口をそろえて言う。私が今まで一番欲しかった言葉なのにこの複雑な感情はなんなのだろうか。
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