この日の皇子の日記

文字数 427文字

 今日は長いことブロンティと話した。やはり彼の方が真面目でさわやかな性格は上に立つものとして資格があると思う。まともに会話をしない私にも優しく接する彼はどんな人間にも好かれるだろう。彼が私にことあるごとに話しかけてくるのは何故なのか。やはり私を殺して皇帝になる機会を伺っているのか。殺す価値もない不良王子だと思ってくれれば処刑は回避できるのだろうか。

 彼の優秀さは誰もが認めている。前回の人生では私が常に主席だったが、今回は彼が主席を守っている。私はブービー賞を取れるように努力している。主席を守り続けるのも大変だったがブービー賞がこんなにも難しいものだとは思いもしなかった。適当な答えしか書かない私よりも頭が悪いものが20人もいるなんて信じられない。

 一度は制服着こなしブームで注目を集めた私だったが、1か月も経てばみんな落ち着いてきたようだ。裏で物理的に静かにさせた奴らもいたが、基本的に不良王子に近づいてくるものはいなかった。ブロンティを除いては。
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