帝国歴885年 6月13日

文字数 378文字

 外国の使節団について妙案が浮かんだ。あまりにも変な対応をすると私の命が危ない上、国同士のいざこざに発展するおそれがある。なので、もう二度とこの国には来たくないと心の中で思わせる必要がある。

 そのため使節団をもてなす料理を菜食のみにし、肉と魚を出さないことを提案しようと思う。肉が大好きだと言われている他国の民族はすぐに帰るだろう。我が国は肉や魚が取れないのだから仕方がないと言ってやろう。野菜しか育たない土地なのは事実だ。

 早速料理長にこの内容の注文をした。料理長がいつもより張り切っていたのが気にかかるが、野菜だけでつくる料理には限界があるだろう。


 まだ皇帝が朝食を食べにくるのが気に障る。私の食べる姿を監視するのをやめてほしい。時間があると夕食も一緒に食べるので、いっそのこと家出したい。外国の使節団をもてなした後ゆっくり家出の計画を立てたいと思う。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み