4.。.:*♡ ちのへそ
文字数 2,158文字
昨日訪れたファクトリーに、四人はこっそりと向かう。
そこでは、いつもと変わらぬ業務風景が繰り広げられていた。
シェルが黙々と業務に就くのを、シールックは訝しげに眺めていた。
煩雑とした小さな工場内を見渡し、彼は静かに立ち去った。
彼らが魔としてこの地に転生したのは、この世界の中心部にある核質、智の臍を読み解く事に理由があった。
のらりくらりと暮らしつつ、世界真理を得る。
そこに彼らの宇宙トーラス的な意味でのアイデンティティーすら存在していた。
四人が駄弁っている間に、ファクトリー内にいつの間にか終業の鐘の音が鳴り響いた。
工員が帰宅するのを、四人は呆然として見守る。
やがて、シールックは透明化していた肉体が実体化した。
四人が全く気にせずに会話を続けていると、ふいに倉庫の扉が開いた。