3.。.:*♡ しっせき
文字数 2,099文字
翌朝、シールックが朝食の支度をしていると、窓から小さな影が飛び出してきた。
驚いて影の正体を確認すると、なんとそれはスクナヒコナであった。
暫くすると、身支度を整えたイシュタルが階段から降りてきた。
彼女の様子を見て、スクナヒコナは声を荒げた。
全知全能っていうのは、細かい事まで何もかもを知っている、という意味もあるんよ。
分かんねーじゃ困るの。
スクナの思う全知全能は、全てを言い当てる系でしょ?
それは皆が思う全知全能ではあるけれど、神理的な意味で全知全能とは言えないの。
あのね。
極微領域というのは、原子記号を象徴と物理的な関与という性質の意味まで理解して扱う事を言うの。
酸素Oとその性質まで完璧に理解しないことには、極微という言葉そのものを扱うことすら許されない訳。
分かるかい?
まあね。
酸素は酸素だけどさ。
ほら。これが昨日言ってた、ソーマの世界なの。
ソーマを扱うのにアレキサンドリアートがどうしても必要で、その為には途方もない知識量を扱えねばならんわけ。
一朝一夕で何とかなる内容ではないことをご理解頂きたい。
四人はパーティーを再結成し、雑談を延々と繰り広げながら朝食を摂ることにした。
イングリッシュスタイルのブレックファストが五臓六腑に沁み渡り、皆はやっと安堵する。
朝食の後にお茶を飲んでから、片付けをして出掛ける準備を始めた。